●高尾山山頂から小仏城山へ。夏でも気持ちの良い縦走路

小仏城山へと続く縦走路。東京とは思えない大自然の中を歩くことができる

 高尾山山頂の先はハイカーの数が一気に減って落ち着いた雰囲気となる。小仏城山へ向かう縦走路は木陰が多く、真夏でも比較的歩きやすい。

 ところどころ開けた場所からは関東平野の展望が広がり、条件次第では都心方面まで見渡せる。強い日差しを遮ってくれる樹林帯の中を涼しい風が吹き抜け、鳥のさえずりを聞きながら歩く時間は、通ってきた高尾山の喧騒を忘れさせてくれる。

 今回の山行で最も印象に残ったのはヤマユリだ。登山道脇に突然現れる大輪の花は圧倒的な存在感を放つ。

 白い花びらに黄色の筋、赤褐色の斑点が特徴で、直径20cm近くになることもある。複数がまとまって咲く様子は見事の一言。甘い香りが周囲に漂い、「ユリの女王」と呼ばれる理由を実感する。八王子市の花にも指定されており、高尾山の夏を代表する風景のひとつとなっている。

 例年7月上旬から中旬にかけて見頃を迎えるため、この時期ならではの楽しみとしておすすめしたい。タイミング次第では、色鮮やかなアジサイとのコラボも楽しめるだろう。

●小仏城山に到着!  茶屋でひと休み

木彫りの像と、開放的な展望が出迎えてくれる小仏城山山頂

 高尾山山頂から約1時間ほどで小仏城山に到着する。山頂は広々とした開放感のある空間が広がっていて木製ベンチが数多く設置されており、休憩場所には困らない。小仏城山の名物といえば、昔ながらの雰囲気を残す2つの茶屋の存在。かき氷やなめこ汁、軽食などを味わうことができる。縦走途中に立ち寄る登山者も多く、山頂全体がどこかのどかな空気に包まれている。

 山頂付近からは丹沢方面へ続く山並みや関東平野を見渡せる。今回は夏らしい青空と深い緑が印象的で、高尾山周辺とはひと味違う落ち着いた山歩きの魅力を感じられた。

 小仏城山は、賑わいを見せる高尾山山頂とは対照的で、ここまで歩いてきた人だけが味わえる静かなスポットといった雰囲気がある。ヤマユリを眺めながら歩いた縦走路の締めくくりとしても、満足度の高い山だ。

山頂では2つの茶屋が登山客を出迎えてくれる。休憩して復路に備えよう

■下山後は、駅前温泉で湯ったりもおすすめ

 たっぷりと歩き、汗をかいたあとは温泉で締めくくりたい。高尾山口駅の目の前にある「京王高尾山温泉 極楽湯」は、登山者に人気の日帰り温泉施設。天然温泉や露天風呂を備え、歩き疲れた体をゆっくり癒やせる。駅直結という立地も魅力。

 夏の低山は暑さが厳しい印象を持っている人が多いと思うが、木陰の多い縦走路や季節の花との出会いなど、強い日差しを避けて歩けるルートが高尾山にはある。暑さへの対策を備えて、八王子市の花・ヤマユリが咲く季節に、高尾山から小仏城山への爽快な縦走登山を楽しんでみてはいかがだろうか。

 

●【MAP】高尾山

●【MAP】小仏城山