■活火山を気軽に体験! 茶臼岳ロープウェイ登山
●山頂へと続くダイナミックな火山斜面
登山道は岩や石が積み重なった「ガレ場」をジグザグに登るルートである。足元は小石や砂礫が多く、踏み込みが甘いと滑りやすいため、一歩一歩確実に進む必要がある。ただし危険箇所は少なく、ペースを守れば初心者でも十分に歩ける。
途中には噴気の影響で白く変色した岩や、赤土の斜面が現れ、活火山ならではの風景が続く。植物は少なく、荒涼とした景観が広がる一方で、空の青とのコントラストが非常に美しい。
ただ、木々などがなく展望が得られる一方、風の影響を強く受けるエリアでもある。特に稜線に近づくにつれて風速が上がるため、体温低下には注意したい。
●茶臼岳山頂と信仰の名残
山頂は岩に覆われた広いスペースとなっており、神社の祠が静かに佇んでいる。荒々しい火山の頂に鎮座するその姿は、どこか神聖な雰囲気を感じさせ、厳かな気分になる。
古くから信仰の対象とされてきた山で、単なる登山だけでなく、歴史的な背景にも思いを馳せることができる場所だ。
山頂からの展望は360度の大パノラマ。視界を遮るものはなく、関東平野から那須連山の峰々まで一望できる。特に、鋭く切れ落ちた朝日岳の山容は目を引くものがあり、その存在感に圧倒される。
●朝日岳方面へ広がる迫力の稜線
時間と体力に余裕があれば、朝日岳方面へ足を延ばしたい。峰の茶屋跡を経由するルートは、一帯の魅力をさらに深く味わえる区間である。
稜線上はアップダウンがあり、歩くごとに景色が大きく変化する。茶臼岳側の荒々しい火山地形と、朝日岳方面の鋭い岩稜の対比が非常に印象的である。
また、途中にある峰の茶屋跡避難小屋は休憩ポイントとしても重要であり、登山者にとって安心感のある存在である。このエリアを歩くことで、さらなる充実感を味わえる。
ただし、途中には鎖場もあり、難易度も高まる。登山経験が浅い場合は、峰の茶屋跡避難小屋をまわってロープウェイ山頂駅に戻るプランでも、十分に満足度が高い。
●下山後は那須湯本温泉でリフレッシュ
下山後は、すぐ近くの那須湯本温泉に立ち寄るのがおすすめである。なかでも鹿の湯は、1300年以上の歴史を持つ名湯で、那須を代表する温泉。白濁した硫黄泉は効能が高く、登山で疲れた体を芯から温めてくれる。
温度の異なる浴槽が複数あり、自分の体調に合わせて入浴できるのも特徴である。登山口からのアクセスがよい点も魅力だ。
茶臼岳は、ロープウェイを利用することで、体力に自信がない人でもルートを選べば高山の景観を楽しめる山である。一方で、火山ならではのダイナミックな地形や稜線歩きも体験でき、本格的な登山の魅力もしっかり備えている。
短時間でここまで変化に富んだ景色を楽しめる山は少なく、初めての百名山としてもおすすめでき一座である。さらに温泉までセットで楽しめることを考えれば、その満足度は高い。
●コースタイム
【那須ロープウェイ山頂駅から茶臼岳・朝日岳往復コース】
那須ロープウェイ山頂駅(0:00)→ 茶臼岳山頂(0:40)→ 峰の茶屋(避難小屋)(1:20)→ 朝日岳(2:00)→ 那須ロープウェイ山頂駅(3:45)
歩行距離:約5.5km
累積標高差:登り465m、下り465m
合計所要時間:3時間45分
●【MAP】茶臼岳
●【MAP】那須ロープウェイ
●【MAP】朝日岳
●【MAP】那須湯本温泉