本格的な夏山シーズンを前に、春先は低山で足慣らしをする人も多いのではないだろうか。筆者も毎年この時期は近場の低山で体を動かすことにしている。日差しも春らしくなってきたこともあり、雪がなく展望も楽しめる静岡県東伊豆町・細野高原にある三筋山(みすじやま・標高821m)に出かけた。

 三筋山は、山頂からの展望のよさやススキの名所として知られ、視界の開けた中を歩けるのが特徴だ。

 この日は、毎年2月に行われる山焼きの直後でもあり、駐車場から静岡県の指定文化財にもなっている中山2号湿原にかけて、黒くなった斜面が広がっていた。 

 この記事では、景色を楽しみながらしっかり歩ける三筋山をレポートする。

■整った登山道でも、想像より体力を使う

三筋山第1駐車場までの舗装路

 登山口は、国道135号線から稲取温泉「稲取細野高原」の案内看板に従って進み、およそ15分のところにある細野高原の第1駐車場。

 駐車場の前には、なだらかな稜線に風力発電の風車が一列に並び、開放感のある景色が広がっている。駐車場から中山2号湿原に続く約400mほどの距離の斜面は山焼きで黒くなっていた。ススキの季節とは異なるやや寂しさも感じる景色だが、この時期限定の風景でもある。見通しがよく、吹き抜ける風が心地よい。

●体力と時間にあわせてコースが選べる

 三筋山周辺には複数のコースが整備されており、体力や時間によって選べるのが特徴だ。細野高原の第1駐車場から湿原へ入る最初の分岐にはコースマップがあるので、確認しておくと分かりやすい。

 今回は、2時間ぐらいは歩きたいことと、天気がやや下り坂の予報だったため早めに山頂に立ちたいと考え、細野高原第1駐車場からゴルフ場沿いの舗装路を進んで三筋山第1駐車場へ向かい、そこから天城三筋山遊歩道を通って山頂を目指すコースを選んだ。ちなみに駐車場は麓から山頂近くまで5か所あるので、歩く距離や予定に合わせて計画が立てやすいのもこの山のいいところ。

●山焼きのあとを見ながら登山スタート

 まず、ゴルフ場沿いの舗装路を進み三筋山第1駐車場へ向かう。はじめの約40分ぐらいは緩やかな上り坂が続き、左手には山焼きされた高原と湿原、右手にはゴルフ場と湿原が広がる。

 しばらくは、緩やかな登りが続くため、次第に足に疲労がたまっていく。息をきらせるほどではないので会話ができる余裕はあるが、軽い散策というよりはしっかり歩いている感覚に近かった。

 三筋山第1駐車場から先は山頂へ向かう道が2つに分かれており、ススキの中を進むコースと天城三筋山遊歩道がある。今回はススキ側が通行止めだったため、遊歩道から山頂へ向かった。日差しを受けた枯れススキが目を楽しませてくれる。一方で、登りの斜度も少しずつ増していき、だんだんと息が上がる。時折立ち止まり、風車や周囲の山並みを眺めながら呼吸を整えた。

ビュースポットへ向かう途中の道。視界が開け、歩いていて気持ちよい