■一面に広がる春の波

カタクリの群生。一生分のカタクリを見た気がする

 雪割草のバトンを受け取るように、山を彩るのがカタクリ。3月下旬から4月上旬にかけて、角田山の斜面は一面のカタクリに覆われる。うつむくように咲く紫色の花は、陽が差すと花びらを大きく反らせ、その美しさを解き放つ。この花もまた「スプリング・エフェメラル(春の儚い命)」のひとつ。

 地上に姿を現すのは、わずか数週間だけ。だからこそ、この瞬間に立ち会えた喜びは大きい。うつむいて咲くその姿は、どこか控えめだが、斜面に一斉に咲いて圧倒的に美しい。ここまで歩いてきてよかったと、素直に思える瞬間だ。風に揺られる様子が紫色の波のように見えた。この群生の中から白いカタクリを探す宝探しにも夢中になった。

■山! 海! 花!

夏の角田灯台はグリーンで綺麗

 角田山で雪割草に出会い、カタクリに包まれる時間は、ただの登山ではなく、季節の移ろいを感じる体験だ。山登りを楽しみながら、海を眺めたり、花を眺めたり、非日常の時間の流れの中、ゆったりと春を感じにぜひこの山を歩いてみてほしい。

 夢中になりすぎて転ばないように注意してください。