春を告げる淡い黄色。そんな「ヒカゲツツジ」の群落と、北アルプスや犀川(さいがわ)のパノラマビューを一度に楽しめる贅沢な低山がある。

 長野県の生坂村(いくさかむら)に位置する「京ヶ倉(きょうがくら・標高990m)」は、1,000mに満たない低山ながら、その稜線歩きのスリルと絶景はアルプス級。例年4月に見頃を迎えるヒカゲツツジを求めて歩いた、春の登山レポートをお届けする。

■信州のグランドキャニオン「京ヶ倉」

 京ヶ倉は、松本市と長野市をつなぐ国道19号沿い、生坂村にそびえる岩山だ。眼下には蛇行して流れる犀川の景色が見られ、登山者の間で「信州のグランドキャニオン」と呼ばれ親しまれている。

 絶景スポットとして通年人気の京ヶ倉だが、4月には「ヒカゲツツジ」が岩肌を彩る。特に山頂付近の稜線に咲く浅黄色のヒカゲツツジと、雪解け水で青く輝く犀川、白い峰がそびえる北アルプスのコラボレーションは、この時期だけの特別な景色だ。

■みどころ満載! スリル満点! 京ヶ倉

 今回紹介するのは、生坂村の「万平(まんだいら)登山口」側からのルート。登山口の約500m手前には獣害防止のゲートがあり、その手前に駐車場がある。4月上旬には駐車場周辺の桜が満開となり、雪化粧した北アルプスとの見事な共演が楽しめる。

駐車場周辺は桜が見頃に
桜と北アルプスの共演

 桜を堪能した後は、新緑が芽吹き始めた山の中へ。ゲートの閉め忘れがないようにしたい。最初は緩やかな登山道だが、徐々に傾斜が増していく。京ヶ倉は全体的に急登が多いので、足を慣らしながらゆっくり登るのがコツだ。

 登山口から40分ほど登ると、視界がパッとひらける「おおこば見晴台」に到着。 ここからは、足元を流れる犀川と、その奥にそびえる残雪の北アルプスが一望できる。常念岳(じょうねんだけ・標高2,857m)や有明山(ありあけやま・標高2,268m)など、白く輝く山々と新緑のコントラストに癒される。

「おおこば見晴台」から見る犀川と北アルプス

 さらに30分ほど登ると視界を遮る木々が少なくなり、「馬の背」と呼ばれる稜線に出る。道幅1.5mほどの細い岩尾根である。見下ろすと遥か遠くに犀川が見えるスリル満点のポイントだ。回避できる巻き道も整備されているので、足元が不安な人はそちらを選べば安心だ。

細い岩尾根を進む「馬の背」