毎年、暖かくなってくると「そろそろ咲き始めたかな」と、ソワソワしはじめます。ミツマタの開花が近づいてくるからです。コウゾとともに和紙の原料となるミツマですが、丹沢周辺には群落を見られる場所がいくつかあります。その中でも、最も大きな規模となっているのが厚木市の不動尻。毎年多くのファンが訪れる人気スポットです。“冬ごもり”で硬くなってしまった体ほぐしを兼ねて、軽いお花見ハイキングに出かけてみました。

■歩きやすい林道とドキドキのトンネル

無料駐車場が完備されている出発地点
思ったよりも足元が暗く、ちょっと緊張するかも!

 広沢寺温泉を目指して車を走らせると、地元の観光協会が設置している無料駐車場に着きます。ミツマタの花期には、30台の駐車場が満車になることもあるため、臨時駐車場も設けられます。開場時間は、午前8時から日没まで。これより上のスペースは駐車禁止ですので、必ず指定の駐車場に停めてください。

 目的地までは1時間ちょっとの林道歩きです。すべて緩やかな斜度の舗装道路なので、メインのコースを歩くだけならスニーカーやハイキングシューズで十分です。途中に山神隧道(やまのかみずいどう)というトンネルがあるのがちょっとしたお楽しみ。電灯がなく200mほどの長さなので、少し足元が見えづらい場所もあります。苦手な方はスマホのライトをつけるかヘッドランプを持参することをおススメします。

■黄色に染まる大群落の斜面を見上げよう

不動尻広場には、きれいなベンチとテーブルが整備されています
枝が3つに分枝することから「ミツマタ」の名がつきました
広場と奥に広がる群落がメインスポットです

 フサザクラやキブシといった樹木の花を楽しみながらゆっくりと歩を進めていくと、やがて道端にぽつぽつとミツマタが見えるようになってきます。ここまでくれば目的地となる不動尻はすぐそこ。カーブを曲がると、たくさんの黄色が目に飛び込んできます。取材日(3月16日)は、まだ5分咲でしたが、それでも十分見ごたえがありましたので、満開になった時の迫力は息をのむほどでしょう。

 不動尻広場の奥には、急斜面を覆いつくすように大群落が広がります。つづら折りの道を登りながら”ミツマタ銀座”を散策するとよいでしょう。また、広場にはベンチやテーブルなどが整備されているので、神奈川県内最大規模とされるミツマタを眺めながらお茶やランチを楽しむこともできます。

小さな花が集まって“黄色のポンポン”をつくっていることがわかります

 よく見てみると、ミツマタの花は、小さな花がたくさん集まって“一つの花”となっていることに気づきます。しかし、私たちが目にしている黄色い部分は、実は花びらではなく“がく”なのです。同じように花びらがなく、がくが花のように見えるものには、オシロイバナやクレマチスなどがあります。「なぜこのように進化したのだろう」 自然の不思議さにまた一つ関心をもつことができました。