●城門跡を越えて主郭へ。要害山山頂到達

山頂の巨木越しに、雪をかぶったアルプスも見えた

 曲輪群を進むにつれ、山城特有の構造が次々と現れる。段状に連なる平場、堀切跡、土を盛り上げて造った防御壁である土塁(どるい)の痕跡。自然地形を巧みに利用した造りは、信玄の戦術的思考の原点となっているのかも知れない。

 侵攻を防ぐために狭く造られた城門跡の通路を抜けると、いよいよ主郭(しゅかく)へ向かう最後の登り。傾斜はあるものの距離は短く、1時間弱で山頂に到達する。山頂は広々とした平地で、ここが山城の中心部だったことがよく分かる。木々の合間から甲府盆地を望む景色は爽快で、名将の視点を想像すると、より一層感慨深い。

●尾根道をゆったり下山

石和の町並みの向こうには富士山が見える

 下山は東側の尾根を辿る周回ルートへ。山頂を後にすると、比較的なだらかな尾根道が続く。アップダウンはあるものの危険箇所は少なく、落ち着いて歩ける区間だ。

 徐々に高度を下げると、やがて林道と合流。ここからは緩やかな道を辿り、沢音を聞きながら、やがて車道に繋がり、スタート地点へ戻る。

 全行程はおよそ2時間弱。標高差はそれほど大きくないが、歴史遺構の見学を含めると満足度は非常に高い。短時間で充実した山城登山を楽しめる。

●下山後は、武田神社参拝と要害天然温泉を堪能

下山後の疲れた体を癒してくれる要害温泉

 下山後は武田神社へ参拝したい。この神社は、武田信虎が築いた居館跡、つまり武田家が実際に生活と政務を行っていた本拠地跡に建てられている。城というより“戦国大名の邸宅兼政庁”の跡地と考えると分かりやすい。

 現在は信玄公を御祭神として祀り、勝運・開運・厄除けの神様として広く信仰を集めている。境内は落ち着いた雰囲気で、歴史の余韻を静かに味わえる場所だ。

 そして締めくくりは要害温泉。山あいの湯に身を沈めれば、戦国ロマンと登山の疲れがゆっくりとほどけていく。歴史と温泉を同時に楽しめる、満足度の高い一日となるだろう。

 

●【MAP】要害山山頂

●【MAP】武田神社

●【MAP】要害山登山口駐車場

●【MAP】要害温泉