■昨シーズンは思いがけない怪我で始まった
昨シーズンを振り返ってみると、小屋開けの直前にアキレス腱断裂(山ではなく、街で)という思いがけない大怪我から始まった。
毎年、へり荷揚げの1週間前までに自宅のある長野から静岡に移動して、買い出しをしたり、荷造りをしたりと忙しく過ごす。だが、今回は運転ができないという致命的な私を、スタッフの高橋くんや役場の方々が送り迎えしてくれた。VIP待遇である。
荷造りは役場の皆さんと、お手伝いとしてきてくださった皆さんに協力してもらい、私といえば口ばっかり出していた。ついなにか荷物を運ぼうとすると、「なに持ってるの〜。言ってよ〜」とみなさんが声をかけてくれる。優しさをたくさんいただいた。
◼️その時、その場でベストな方法を選択しなくては
荷揚げ当日は、まだ暗いうちにスーパーで最後の冷蔵食品の買い出しをした後、4時半にお肉屋さんに寄って準備万全。朝早くからお店を開けてくれたみなさん、ありがとう!
そして、朝6時に荷上げがスタート。すでに気温が高いので、稜線上にある小屋はガスの中だ。「今日は飛ぶのが難しい気象条件かも……」という空気の中、機長さんが雲を迂回してぐるっと遠回りをすることで、なんとか食材などの保管が難しいものを運んでくれた。残りの荷物は翌週に飛んだ。
毎年のことだけれど、計画通りいくなんてことがないのがヘリ荷揚げ。その時、その場でベストな方法を選択しなくてはいけない。
参ってしまったことといえば、屋根裏部屋へのテンの侵入である。もはや冬の間、こちらに家族でお住まいでした?」というくらいの荒れ具合だった。小屋閉めが甘かったのかと思いきや、侵入箇所は壁を破られていた。テン1匹入れるような穴が空いていたのだ。これは、もう予測不可能。高山で暮らすテンだって必死なのだろう。高橋くんが長いハシゴを使って穴をふさいでくれたので、この冬は大丈夫だと信じたい。
きっと今シーズンも、どれだけ準備を整えても、思いもよらない出来事がたくさん起きるのだろうな。麓の皆さんと山の上の皆さんの協力なしでは、始まらなさそうです。この場を借りて、本当にいつもありがとうございます!