横浜といえば、みなとみらいの海辺の景色や賑わう中華街など、都市的なイメージを思い浮かべる人も多いだろう。しかし実は、横浜市には「市民の森」として緑地を保全する独自の制度があり、市内47か所もの森が指定され、大切に守られている。

 なかでも、多摩丘陵から三浦半島へと続く「多摩・三浦丘陵群」の一部で、横浜市最大の緑地でもある円海山(えんかいざん)周辺には、豊かな森が広がる。今回は、その一角にある横浜市最高峰・大丸山(おおまるやま・標高157m)を目指しながら、横浜とは思えないほど自然豊かな森を歩くハイキングコースを紹介する。

■街から森へシームレスに。JR根岸線の港南台駅からスタート

 ハイキングのスタートはJR根岸線の港南台駅。南側出口を出て住宅街を南へ進み、「港南台駅入口」の交差点を渡って左折する。そこから8分ほど歩くと港南台消防出張所が見えてくる。その脇を右に曲がり、緩やかな坂を上っていくとハイキングコースの案内板が現れる。左折して白い柵沿いに坂を上がっていこう。

この先に移動無線センター横浜中継所の鉄塔が見えてくる

 案内板から約20分ほど歩き、緩やかな坂を上り切ると、鉄塔が立つ開けた場所に出る。ここが、このコース最初の展望ポイントだ。自販機も設置されているので、必要に応じて飲み物を補充しておくといいだろう。街から歩いてきたにもかかわらず、いつの間にか自然の中へ入り込んでいくような不思議な感覚になる。

鉄塔下から西側を望むと、根岸湾と遠く横浜のベイサイドエリアを見渡すことができる

■心地よい森の静けさと木漏れ日の広場

赤白の車止めがコース入り口の目印

 広場を右に進むと、ここから先はいよいよ本格的なハイキングコースとなる。「いっしんどう広場」と書かれた道標に従い、市民の森へと入っていく。道はよく整備されており、入口は樹木のトンネルのようだ。森へ一歩足を踏み入れると、街からそれほど離れていないとは思えないほどの静けさだ。この先には、円海山(えんかいざん)の森を縫うように続くコースが広がっている。ゆったりと森林歩きを楽しみながら進んでいきたい。

鎌倉天園までは分岐から約6km

 程なくして分岐となるが、「横浜自然観察の森・鎌倉方面」へと進んでいこう。ちなみに案内にある通り、このまま南へ進み続ければ鎌倉アルプス、さらには鎌倉市街地まで歩くこともできる。いつか踏破してみたいロングルートである。

いっしんどう広場は複数のトレッキングコースに分かれる分岐点にもなっている

 分岐を過ぎるとすぐに「いっしんどう広場」に到着する。ベンチやテーブルが多く設けられ、この日も多くのハイカーたちが思い思いに休憩していた。スギやコナラの木々がほどよく日差しを遮り、木漏れ日が降り注ぐ気持ちのいい広場だ。

 標高は103mほど。ここから港南台の街並みを見下ろすことができ、天気が良ければ富士山も綺麗に望めるという。この日は霞んでいて見ることはできなかったが、眺望の良さを感じさせる場所だ。トイレも整備されており、ハイキング途中の休憩にはちょうどいい。