スキー場を探すとき、多くの初心者がまず目にするのは「有名」「規模が大きい」「コース数が多い」といった言葉である。実際、検索結果やランキングサイトでも、上位に並ぶのは大規模リゾートスキー場ばかりだ。確かに、設備が整い、写真映えもする大きなスキー場は魅力的に映る。「せっかく行くなら有名なところへ」と考えるのは自然な流れだろう。

 しかし実際には、初心者や初中級者ほど“大きいスキー場で失敗した”と感じるケースが多い。では、なぜそのように感じるのか。本記事ではその意外な理由を紐解いていく。

■なぜ初心者は大きいスキー場を選びがちなのか

小樽の街並みと、美しい日本海が眺めらる小樽天狗山スキー場(画像提供:SNOW Freaks https://www.snow-freaks.com/)

 初心者が大規模スキー場を選んでしまう理由は、決して判断ミスではない。そこにはいくつかのわかりやすい心理がある。

●「有名=安心」という感覚

 テレビやSNSで見たことがある名前、聞いたことのあるスキー場は、それだけで「失敗しなさそう」に感じられる。

●「コース数が多い=初心者向けも充実している」といった期待

 コースが多ければ、それだけ初心者向けのコースも充実していると容易にイメージでき、「広くて滑りやすそう」「初心者でも安心かも」といった期待感が増すのかもしれない。

●ランキング記事の影響

 初心者であれば訪れるスキー場を選ぶ際、ネットのランキング記事を参考にすることが多い。その際、ランキング上位のスキー場であれば楽しく滑れるに違いないと考えセレクトすることも多い。

■初心者ほど疲れる、大きいスキー場の落とし穴

夕暮れ時の景色を見るためにでも、訪れるだけの価値がありそうな小平町望洋台スキー場(写真提供:SNOW Freaks https://www.snow-freaks.com/)

 大規模スキー場で初心者がつまずきやすい最大の理由は、移動距離の長さである。慣れない板やブーツを履いている状態でゴンドラや連絡コースを使って移動すれば、体力はもちろん削られていく。

 また、コースの選択が難しい点も見逃せない。「初級」と書かれていても、途中で斜度が変わったり、他コースと合流することも珍しくない。初心者にとっては、常に周囲を気にしながら滑ることになり、緊張が続いてしまう場面も。

 混雑も大きなストレス要因になる。リフト待ちの列、ある程度のスピードで滑る上級者、ゲレンデ内の人の多さなど、「邪魔になっていないか」「ぶつかったりしないか」と気を張り続けるうちに、心身ともに疲弊してしまうのだ。