新潟県魚沼市にある奥只見湖は、奥只見ダムによって誕生した人工湖。江戸時代にこのエリアで銀が採掘されていたことから「銀山湖」とも呼ばれている。春から秋にかけては湖で遊覧船が運行し、とりわけ秋は周囲の木々が赤や黄色に染まった紅葉が美しい。見頃は10月下旬から後半にかけて。これからまさに紅葉の盛りをむかえる。
■「奥只見湖シルバーライン」を抜けて、奥只見湖へ
新潟県から奥只見湖へのアクセスはとてもユニークでたどり着くまでの移動も楽しい。ダムの資材を運ぶために作られた「奥只見湖シルバーライン」というルートは19のトンネルが連なる道。全長22kmのうち18kmがトンネルというワイルド感がたまらない。トンネルを抜けると視界が開け森の中にダム湖のある秘境にたどり着く。
■大迫力のダムも鑑賞
水力発電ために作られた奥只見ダムは1960年に完成。高さ157m、全長480mの規模で、直線重力式コンクリートダムとしては日本一の高さを誇る。このダムによって誕生した奥只見湖は貯水量約6億立方メートルもあり、国内最大の発電力がある。
ダムの上まで移動すると遊覧船乗り場があり、その行き来にダムの上を散策するのも楽しい。ダムから水が流れる只見川は新潟県の福島県の県境にあたり、ダムの上はまさに県境だ。
■紅葉に包まれた湖を遊覧船でめぐる
奥只見湖は周囲を山が取り囲む自然豊かなロケーション。秋はその山々がすべて紅葉に染まり、遊覧船から絶景を眺めることができる。秋は2つのコースを遊覧でき、「奥只見周遊コース」は40分かけて奥只見湖をぐるりと周遊しながら見どころをあますことなくめぐることができる。スタートした乗船場に戻ってくるので、マイカーユーザーにおすすめのコースだ。2025年の運行は11月8日まで。
もう一方の「銀山平コース」は、奥只見乗船場と銀山平乗船場を結ぶコース。9月30日までは10名以上の団体による予約利用だが、10月1日〜11月6日の期間は定期運航している。
■開運の絵馬を奉納しよう
奥只見ダムの湖畔には山の神として知られている十二山神社が祀られている。伝承によると、「尾瀬」の地名の由来になったともいわれる尾瀬ノ三郎房利から譲り受けた虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)がこの神社に祀られているのだとか。湖畔にある十二山神社は道路などの陸路で行くことができないが、絵馬に願い事を書いて奉納することが可能だ。
手順はまず、奥只見乗船場で奉納絵馬を購入。このとき、絵馬とともに渡された「人型祓い」という申込書に必要事項を記入して係員に渡しておこう。願い事を書いた絵馬は遊覧船乗り場の奥にある絵馬掛所にかけておくと、地元の神職が十二山神社まで届けて御祈願してくれるという。また後日、遥拝記念品が郵送で送られてくる。遊覧船体験ととも奥只見湖の守り神である神社に絵馬を奉納するのもおすすめだ。
■「御船印」にも注目
奥只見湖の遊覧船を体験したら「御船印(ごせんいん)」をもらうのもおすすめ。神社や寺院で参拝した証として授与される「御朱印」。これを参考にしたのが、船に乗った記念として授与される「御船印」だ。
国内46の船会社がそれぞれオリジナルの御船印を展開する「御船印めぐりプロジェクト」というものがあり、奥只見湖の遊覧船にもオリジナルの御船印と、御船印帳が用意されている。9月1日より御船印のデザインが変更され、9~11月デザインは「稲穂」がモチーフ。奥只見船着場で11月8日まで販売中だ。
■休憩に最適な「奥只見レイクハウス」
奥只見ダムの下、駐車場に隣接する「奥只見レイクハウス」は食事や休憩にぴったりのスポット。定食に使われているお米は魚沼産コシヒカリ100%。岩魚の塩焼き、からあげ、とんかつなどの定食がいろいろと楽しめる。「流れるダムカレー」という遊び心のあるメニューもあり、ライスがダムの形になっており、そこに刺さったウインナーを抜くと放水されるようにカレーが流れ出てくる。
店内から奥只見ダムが見え、迫力あるダムを眺めながらゆっくり食事やお茶休憩ができる。
■船とゴンドラから「新潟県の紅葉」を満喫!
この秋、新潟県の2つの絶景ポイントがタッグを組んだ「奥只見湖遊覧船&苗場ドラゴンドラ W割引2025キャンペーン」が展開される。奥只見湖遊覧船(魚沼市)、もしくは苗場ドラゴンドラ(湯沢町)で利用した「乗船券」または「乗車券」を持参すると、もう一方の施設を特別割引料金で利用できるという相互割引キャンペーンだ。
キャンペーン期間は2025年10月11日~11月9日まで。湖からの仰ぎ見る紅葉とゴンドラから見下ろすの紅葉の、趣きの異なる新潟県の秋の絶景をぜひ体験しに行こう。