■岩場や鎖場を越え、蓼科山山頂へ
七合目登山口から蓼科山頂までは、全て蓼科神社の境内であり、登山道のところどころに順路、すなわち山頂を示す看板があるので迷うことはないだろう。すり鉢型になった蓼科山頂の底に蓼科神社奥宮がある。
山頂が近くなるにつれ、段々と登山道にある岩も大きくなり、一部区間の登山道には鎖が設置されていた。登る際に不安な人は躊躇せずに使用してほしい。
蓼科山山頂へのラストスパートでは、登りの登山者と下りの登山者のすれ違いに順番待ちを余儀なくされるほど険しく狭い箇所も。余談だが、このタイミングで後ろを振り返ると森林限界を超えたすばらしい景色が眼下に広がっている。登山者が多く、通過待ちの時間が長い時にはおすすめだ。なお、下山時にも同様の景色が眼下に広がる。
山頂付近からの景色を堪能しながら、先を進むと蓼科山頂ヒュッテが現れる。そこから山頂までは、目と鼻の先だ。逸る気持ちを抑えながら11時頃、ついに山頂に到着した。
■360度のパノラマビューが広がる蓼科山の頂へ
蓼科山の山頂は広く、360度遮るものがなく、すばらしい展望が広がっている。天気がよいと、日本百名山の40座を見ることもできるといわれているほどだ。筆者が登った日は、山頂付近がガスに覆われており、百名山はほとんど確認できなかった。
それでも独特な山頂の景観を堪能し、12時頃に下山を開始。今回は登ってきた道をそのまま戻ったが、下山時はより注意が必要だ。疲労と冷えもあってか、筆者は2回ほど着地と同時に足を滑らせてしまった。幸い大事に至らなかったものの、歩きづらい箇所では特に慎重に下ってほしい。やはり下山も体力は必要だと痛感した。
■苔と岩を味わうことのできる霊峰蓼科山
八ヶ岳連峰の中でもアクセスのよい蓼科山。蓼科神社と密接に関わっており、約1000年続く歴史を感じられる「霊峰」だ。苔むした森や、針葉樹林など最高の森林浴を楽しむことができる。大きな岩が連続する場所では十分に注意しながらも、夏とはまた違った秋の眺望を楽しんでほしい。
●【MAP】蓼科山への登山口 七合目登山口
【七合目登山口から蓼科山山頂ピストンコース】所要時間
七合目登山口(0:00)→ 蓼科山荘(1:20)→ 蓼科山頂ヒュッテ(1:50)→ 蓼科山山頂(2:00)→ 蓼科山荘 (3:45)→ 七合目登山口 (5:00)
歩行距離:約5.5km
累積標高差:登り 680m、下り 680m
合計所要時間:5時間00分