都心から電車や車で1〜2時間。埼玉県ときがわ町は、清流と緑に囲まれた自然豊かなところだ。町の中心を流れる都幾川(ときがわ)は流れが比較的穏やかで川幅が広く解放感があるため、川遊びや川辺のバーベキューに人気である。川遊びといえば子どものものという印象が強いが、実際に訪れると、大人が川辺に椅子を並べてのんびり過ごす姿も目立つ。忙しい日常から少し距離を置きたい人にとって、気軽に行ける癒やしの場として注目を集めているのだ。
今回は、筆者が実際に都幾川で過ごして気づいた、川の魅力と大人ならではの楽しみ方について紹介する。
■大人の川の楽しみ方
●椅子を置いて“何もしない”贅沢
川のせせらぎを聞きながら椅子に座り、ただ眺めるだけ。特別なことをしなくても、心が静かにほどけていくのを感じる。都幾川には、川岸が広く水辺で腰を下ろして過ごせる場所や、木々が生い茂り天然のタープのように日差しを遮ってくれる涼しい環境など、快適に過ごせるスポットが点在している。こういった川辺で自分だけのお気に入りの場所を探すことも楽しみのひとつだ。「何もしない時間」を持つこと自体が、大人にとっては大きな贅沢ともいえる。
●コーヒー片手に過ごすカフェ気分

保温水筒にお湯を入れて持参すれば、手軽にコーヒーが淹れられる。淹れたてのコーヒーを川辺で味わうひとときは格別だ。木漏れ日と川風に包まれながら飲む一杯は、街中のカフェでは得られない開放感をもたらしてくれる。
●川辺を散歩して自然に溶け込む
川沿いをゆっくり歩けば、小鳥のさえずりや花の色合いに気づく。季節の移ろいを全身で感じられるのも川辺の魅力である。都幾川の周囲には緑が多く、夏でも木陰が心地よく涼しさを感じられ、秋には紅葉が美しく四季折々の自然が楽しめるのもうれしいポイントだ。
■大人にこそおすすめしたいメリット

●スマホを忘れる“デジタルデトックス”時間
都幾川の川辺は電波が弱い場所も多く、自然とスマホから距離を置ける。通知に追われず、耳で水音を、目で水面のきらめきを楽しむ。五感が満たされ、日常では忘れていた感覚がよみがえる瞬間だ。自然に身を置くだけでストレスはやわらぎ、頭の中が整理されていく。
●財布にやさしい“大人の川遊び”
高価な道具や特別なアクティビティは不要で、椅子や飲み物さえあれば十分楽しめる。都心から近いため休日はもちろん、平日の仕事帰りに立ち寄る人もいるそうだ。身近な「第2の居場所」として通いやすいのも支持される理由だ。