■【2日目】アルプスの女王「仙丈ヶ岳」へ!
北沢峠から仙丈ヶ岳までは標準タイムで約4時間、北沢峠からの周回コースに必要な所要時間は約7時間ほど。帰りのバスの時刻と休憩時間なども考え、早朝に出発した。
序盤は長い林道の登りが続く。テントや寝袋などは長衛小屋のテント場に置いていけるため、荷物をコンパクトにして臨めたが、登りは長く侮れない。夏場は気温も高く汗もかきやすいため、意識的に水分補給をし、脱水状態にならないよう気をつけた。

6合目の看板が見えたあたりで森林限界を超え、眺望を楽しめるようになった。遠くに富士山が見え、稜線に出てからも登りは続くが、景色をカンフル剤に歩くこと2時間40分、標高2,855mの小仙丈ヶ岳(こせんじょうがたけ)に到着した。

小仙丈ヶ岳からは、ここまで登ってきた道のりで見られなかった仙丈ヶ岳や、隣の甲斐駒ヶ岳も望めた。標高が高く、森林限界を超えているので強風に注意が必要。風にさらされているとあっという間に体温を奪われるため、ウィンドシェルジャケットが重宝した。
目的地である仙丈ヶ岳の山頂までは残り1時間ほど、稜線歩きとなり眺望を楽しめるため、登りでもさほど疲労を感じずに歩くことができた。

■仙丈ヶ岳の山頂から望む360度パノラマ!
北沢峠からおよそ3時間45分、仙丈ヶ岳へと到着した。山頂からは北アルプスや八ヶ岳、富士山を望み、近くには日本で2番目に高い北岳をはじめとする南アルプスの山々の絶景が広がっていた。
筆者が訪れた時は一面に雲海が広がり、山小屋などを除く人工物がほどんど隠れていたため、より大自然の雄大さを満喫できた。

山頂からは仙丈小屋、馬ノ背ヒュッテの山小屋を経由し、北沢峠へと下山できるようになっている。馬ノ背ヒュッテには、おいしい水が味わえる水場もあり、補給が可能となっていた。
体力を要するイージーとはいえない仙丈ヶ岳。しかし、タフなコースの先には来てよかったと思える眺望が広がっていた。山深い南アルプスから望む雄大な景色が堪能できる仙丈ヶ岳登山はすばらしいものとなった。
【北沢峠からの周回ルート】所要時間
北沢峠(0:00)→ 小仙丈ヶ岳(2:38)→ 仙丈ヶ岳(3:46)→ 仙丈小屋(4:03)→ 馬ノ背ヒュッテ(4:53)→ 北沢峠(6:50)
歩行距離:約8.8km
累積標高差:登り 1,130m、下り 1,122m
合計所要時間:6時間50分
●【MAP】戸台パーク 長野県伊那市長谷黒河内