◼️遊びから学びへと繋げる“順番”が重要

子どもたちを自然の中で遊ばせるメリットは、自分たちの暮らしと地球環境とがどう繋がっているかを実体験してもらえることでしょう。僕ら大人は、木や土に触れながら森林の役割や身近な生活と森との繋がりを伝えるのが役割。つまり、子どもたちに「学習の時間」を提供することです。
この時に大切なのが、まずは楽しい遊びがあって、その後に学びがついてくるという“順番”です。
多くの子どもたちに接していて感じるのは、“子どもたちの頭の中では、学習と遊びは切り離されている”ということ。大人が仕事と遊びを分けて生活しているのと同じように、子どもたちも「今は学習の時間で、休み時間と言われたら楽しい時間」と思っています。
◼️リスクのある遊びをさせられるかは、親の対応次第

しかし、近年は田舎で暮らしている子どもたち"だからこそ"、森で遊ぶ体験が減ってきています。自然の中には、事故や虫、動物といったリスクが少なからずあります。そのため、せっかく田舎に暮らしていても、自然の中で子どもを遊ばせるリスクを避ける家庭も多いのです。
僕が接する子どもたちには、自然が内包する危険について必ず説明します。なぜハチは襲ってくるのか、川で溺れたり、山で道に迷うことへの準備…… これらをしっかり知っていれば、リスクを減らすことができます。ハチやヘビは怖いもの、川や山は危険もある場所と恐れるからこそ対処法を学べます。
リスクのある自然体験を子どもたちにさせる時には、大人が先にリスクを十分理解して伝え、見守り、何かあれば対処する準備が必要です。大人が一緒になって遊ぶこと(見た目は一緒に遊んでなくとも)で、子どもたちが自分で考えてリスクを減らせるようになり、注意深さが身につくと思います。