いよいよ今年も梅雨入りの雰囲気が漂ってきた。梅雨を彩る粋で雅な花といえばハナショウブ。江戸時代から多くの品種が生み出され、幕府旗本の松平定朝は自らを「菖翁」と称し、生涯にわたり300種ほどのハナショウブを作り出した。
江戸、伊勢、肥後、長井などに系統は分類され、品種もさまざまに色、形、模様など、それぞれに個性豊かに咲きほこるハナショウブが時を経て、今、東京では見頃を迎えている。
■江戸から続く花菖蒲文化を感じる「堀切菖蒲園」
東京でハナショウブを鑑賞するなら「堀切菖蒲園」は欠かせない。江戸の頃からハナショウブの栽培が盛んであったこの地域では、いくつかの花菖蒲園が存在していたが、第二次大戦下では水田化され、戦後唯一復興を果たしたのが、現在の堀切菖蒲園。
「菖翁花」と呼ばれる菖翁が作り出した品種のほか、約200種、6,000株が庭園に咲きほこり、江戸の風情を今もなお、感じることができる。
●MAP
■都内最大級の花菖蒲園が広がる「水元公園」
堀切菖蒲園と同じく葛飾区の「水元公園」。15もある圃場では約100種、14,000株と都内最大規模でハナショウブが咲く。木道が整備された圃場もあるので、広い園内を散策するようにハナショウブを楽しむことができる。
堀切菖蒲園と水元公園では現在「2024葛飾菖蒲まつり」が6/16(日)まで開催されている。期間中の土曜、日曜は両園と柴又帝釈天などをめぐる「かつしか菖蒲めぐりバス」が運行されており、お得で効率的に2つの花菖蒲園を鑑賞することができる。