◼️まずは“受け皿”をつくる
とはいえ、いきなりかまどをつくれるわけじゃない。まずは、かまどと、それを覆う予定の東屋を設置するための基礎工事が必要だ。
正直、地味で大変な力作業。みんな未経験で知識も乏しく、試行錯誤しながらの泥まみれの日々となった。



こうして、開拓村民たちの汗と筋肉痛の先に、火を迎える場所(まだ基礎……)が生まれていった。現実は、マイクラのようにサクッとは行かないのである。
◼️愛農かまどづくりは泥だらけの“祭り”
そして本番。大西さんを迎えての3日間ワークショップが始まった。まずはかまどの背景や意味について、しっかり話を聞く。そこからは、作業の分担と泥だらけの“祭り”の始まりだ。工具を使うものから、子どもでも簡単なものまであり、親子でも参加できる作業内容だ。








土と会話にまみれた、豊かな時間だった。
お昼は地元のおばあちゃんたちが作る弁当をみんなで食べ、休憩時には自然循環のことやサウナの話で盛り上がり、夜も宴会をしながら遅くまで語り合った。
この時間こそ、愛農かまどづくりの持つ魅力のひとつ。参加者の「思い」と「時間」が染み込んだかまどは、また次の笑顔の循環を生み出していくのだ。
◼️まだ完成していないけれど
こうして形になった愛農かまどだけど、まだ“完成”ではない。屋根となるログの東屋や煙突設置が必要だが、ここで…… 資金が尽きた(笑)。
これが、サウナ村づくりのリアルであり、資金力のないおっさんの情けなさでもある。何かをつくるのって、理想だけでは進まない。いま僕は、また必死に資金繰りに奔走している。

でも本当の完成はきっと、屋根や煙突がつくことではない。このかまどで蒸籠蒸しがふるまわれ、ここに集まった人たちが、自然とのつながりや、五行の循環を感じながら、思わず頬がほころぶような“サ飯”を味わうとき。それが、完成の瞬間なのだと思う。
その時まで、まだこの愛農かまどづくりは終わらない。
◼️この火から、また始まる
この愛農かまどは、THE WATERSの「火の場」であり、五行が交わる“循環の起点”でもある。
火と土と水のそばで、薪を割り、飯を炊き、誰かと分け合う。それは、効率とは違う時間の流れの中で、自然と人が、再びひとつの円を描いていくこと。
そんな日が来ることが今から楽しみである。
次回は、そんな愛農かまどで蒸し料理を作るため、希少な和せいろ職人と和せいろ料理人を招いた「和せいろづくり編」をお送りしていく。
⚫︎関連URL
<愛農かまど公式ホームページ> https://ainoukamado.net/
<大西琢也さんHP> https://note.com/takuyaonishi
<根っこを育む自然学校 NPO法人 森の遊学> https://ugaku.com/