塩基性岩である夕張岳(1,668m)には、他の山には見られない固有種の高山植物が多い。花の山としてもよく知られ、夕張山地を代表する山である。夕張岳登山口に至る「鹿島林道」は林道崩落のため、通行止めが続いていたのだが、2025年6月21日、およそ2年ぶりに解放された。
夕張岳の固有種の中でも特に有名なユウバリソウは、雪解け後の早い時期でなければ見ることができない。その花を見るために、林道ゲート開放日にいち早く夕張岳へ登山してきた。花はちょうど見頃を迎えていた!
■2年ぶりに通行可能となった鹿島林道と夕張岳登山

札幌の東側に南北に連なる夕張山地。日本百名山の山はないが、特徴ある山々が連なる。この夕張山地の代表的な存在が夕張岳である。
登山道は東側の「金山コース」と西側の「大夕張コース」があるが、金山コースは長年草刈り等の登山道整備が行われていないため、夕張岳登山は実質的に大夕張コースのみとなる。
この大夕張岳コースの登山口に至る鹿島林道が、2023年に大規模崩落が発生し閉鎖されていた。この林道が2025年6月21日にゲートが開放され、通行可能となった。およそ2年ぶりに夕張岳登山が可能となったのだ。筆者はゲート開放初日に行ってきたのだが、早朝から駐車スペースはほぼ満車状態。夕張岳の人気の高さを実感した。
■花の名山、日本二百名山の夕張岳

夕張岳は日本二百名山のひとつに選ばれているが、花の百名山としてもよく知られている。山の上部は塩基性の蛇紋岩のため、他の山では見られない固有種や希少な花が多いのも特徴だ。
登山道は尾根上まで標高差を800mほど一気に登るが、その先の平坦地からは高山植物を楽しめる群生地が広がっていく。上部の湿地帯には木道も設置されているが、老朽化で一部危険な場所もあるので注意が必要だ。