風に生ぬるさを感じ、初夏であることを体感する季節。汗ばむ陽気になることも多い中、雪に覆われていた山々はシーズンを迎える季節だ。今回は残雪期を終え、新緑の季節を迎えた根子岳(ねこだけ・標高2,207m)と、四阿山(あづまやさん・標高2,354m)を巡る周回ルートを紹介したい。

■夏の避暑地「菅平高原」で出迎えてくれた放牧牛と満開のレンゲツツジ!

放牧された牛は気持ちよさそうに食事を楽しんでいた。近くで見ると迫力の大きさだ

 上信越自動車道・菅平高原ICから約40分、到着したのは標高1,600m付近に位置する菅平牧場(すがだいらぼくじょう)だ。標高が高いため、早朝に到着した時はまだ気温が低く、ひんやりとしていた。

 四阿山は群馬県と長野県の県境にある山で、日本百名山に名を連ねるほか、信州百名山やぐんま百名山にも選出されている。四阿山の隣の根子岳は花の百名山に選出され、さまざまな花を楽しめる山だ。

 菅平牧場の駐車場を出発すると、さっそく出迎えてくれるのが放牧されている牛たち。朝の日光を浴びながら気持ちよさそうに食事をしている。 

 牧場に沿って登山道が延び、緩やかな傾斜でのどかな風景が広がる中を気持ちよく歩けた。2024年6月の中旬に筆者が訪れた際には、レンゲツツジが満開の季節を迎えていた。

登山道に沿ってレンゲツツジが群生しており、満開の時期は彩ってくれる

 この日は天候に恵まれ、雲ひとつない晴天だったため、空の青さに新緑の緑、そしてオレンジ色のレンゲツツジが際立ち、色鮮やかな登山道を歩くことができた。登山道を30分ほど歩いたところに展望台があり、東屋もあるので休憩するのにちょうどいい。

展望台から菅平高原を見下ろす。その先には北アルプスの山々を望む

 東屋を過ぎると、やがて樹林帯になる。単調な区間だが、新緑の季節は葉をつけ始めた木々たちが青々としており、鳥のさえずりが賑やかだったため、楽しく歩くことができた。

 樹林帯を抜けると、山頂が見えてくる。登山口から根子岳までは約2時間で到着することができた。危険な箇所もなく、急な斜面もないので、歩きやすい区間だ。山頂エリア一帯は木々が少なく、笹に覆われた箇所が多いため、どこをみても眺望を楽しめる。

根子岳の山頂にある祠。360度パノラマが待っている

 6月と言えど、日中は日差しが強く、日光をさえぎるものも少ないため、紫外線には注意したい。気温も高くなってくる季節なので肌の露出は最低限に。紫外線対策をして根子岳を楽しもう。