■【設備】トイレや炊事場近くでの設営

トイレや炊事場のすぐそばは便利だが、音や光の影響を受けやすい

 生活導線を考えて「テントはトイレや炊事場の近くに設営したほうがいい」と思っていないだろうか。実は快適さを損なう落とし穴も。知らないと後悔する、設備周辺にテントを張る際の注意点を解説する。

●トイレや炊事場付近にテントを張るデメリット

テントの周辺を人が通るため、プライベート感が保たれにくい
夜は話し声やトイレのドアの開閉音、炊事場の音で睡眠が妨げられることがある
照明が一晩中ついていることが多く、光がテントに届きやすく虫が集まりやすい
風向きによっては、臭いが流れてくることがある

●快適さを優先するなら、適度な距離をとろう

 上記デメリットを考慮すると、テント設営場所はトイレや炊事場から近すぎず遠すぎずの距離がちょうどよい。筆者の経験ではこれらの施設が視界に入る程度(徒歩1分ほど)がちょうどよいと感じている。また、事前に照明の向きや風下かどうかも設営前に確認しておくと安心だ。

 トイレや炊事場の「便利さ」だけで選ばず、快適に過ごすための距離感も意識しよう。

■太陽の向き、風の影響をうける

太陽や風向きを考慮して設営しよう

 テントを設営する際、地面の状況ばかりに目が向きがちだが、実は太陽の向きや風の影響も快適性を大きく左右する要素である。

●日差しと風がテントに与える影響とは

 テントの入口が東向きだと、夏は早朝からテント内が蒸し風呂のように暑くなる。加えて、寝室部分が朝日にさらされると、まぶしさで目が覚めてしまう。一方、冬場は日中も日陰になりやすい場所だと太陽の暖かさを感じにくく、1日中冷え込みやすい。

 また、風が強いときにテントの入り口を風上に向かって張っていると、風が入り込みポールが曲がる、テントが倒れるといった危険なトラブルにつながる可能性もあるため注意が必要だ。

●設営はテント入口の向きがカギ!

 季節や日差しの向きを意識した、テント入り口の向きは下記のとおり。

春と夏:テントの入口を「北または南向き」にするのがおすすめ
入り口と寝室が北・南向きであれば、直射日光を受けにくく、テント内が暑くなりすぎるのを防げるため、快適に過ごしやすい。また、木陰やタープを活用し、日差しを防ぐ工夫も有効である。

秋と冬:朝日を取り込む「東または南向き」
秋冬は朝日がテントに差し込む東向きまたは南向きに設営することで、テント内が徐々に暖まり、過ごしやすくなる。

 風が強い日のキャンプでは、テントの入り口を風下に向けて設営しよう。風向きは、草木の揺れ方で判断でき、風がどこから吹いてきているかがわかるだろう。

■テント設営場所は慎重に!

 テントを張る場所選びは、快適さだけでなく、安全性にも直結する重要なポイントだ。

 設営後に張り直すのは難しいからこそ、最初の選択がすべて。下記のチェックポイントを参考にして、最適な場所でテントを張ろう。

1. 川沿いではないか(増水のリスク・川の音)
2. 傾斜がないか(水準器アプリなどで確認)
3. トイレ・炊事場のすぐそばではないか(プライバシー・音・におい・照明の影響)
4. 直射日光や強風を直接受ける向きではないか(太陽や風の向きに配慮)