潮干狩りのシーズン到来!  大人も時間を忘れて夢中になれるファミリーレジャーだが、シーズン中となれば、早起きから始まり大渋滞と大混雑との戦いになりがちだ。帰宅する頃には、新鮮な貝で料理を楽しむ気力すら残されていない。

 そこで、都心の近場で混雑も避けられる潮干狩りはいかがだろうか。向かうは東京湾の奥エリア、江戸前である。そして江戸前といえば近年、ハマグリにも負けない美味しさを誇る江戸前の新名物として注目のホンビノス貝はぜひお持ち帰りしたい!

 この記事では、ホンビノス貝の採り方のコツと、混雑が比較的少なく、無料駐車場が目の前にある便利な場所でホンビノス貝も無料で採れる、とっておきの2か所を紹介する。

■「ホンビノス貝」とは?

千葉県のブランド水産物にも認定され、価値も注目も高まっているホンビノス貝を狙え!

 ホンビノス貝は、アサリやハマグリと同様、海に生息する二枚貝である。大きさは横幅5cmほどのものから10cmを超えるものまであり、水揚げすると貝殻が白みがかってくる特徴から、かつては「白ハマグリ」や「大アサリ」の名前で流通していた。聞き覚えがある人もいるのではないだろうか?

 1998年に千葉市の人工海岸で外来種として発見された後、味のよさから本格的な漁が始まり、2017年には主要漁場の名がついた「三番瀬ホンビノス貝」が「千葉ブランド水産物」に認定。外来種だった貝が、同じ千葉ブランド水産物の「九十九里地はまぐり」と肩を並べたというわけだ。

 ハマグリの繊細で上品な味とは異なり、旨みの素となるコハク酸が多く含まれていることから濃厚でしっかりした味が特徴だ。筆者のおすすめはバーベキュー!  身が大きく、肉に負けないほど歯ごたえも食べごたえもあり、最高に美味しい。

■「ホンビノス貝」 採り方のコツ

●アサリと“居住区”が違う

 潮干狩りでお馴染みのアサリは砂の粗いエリアで採れることが多いが、同じ海でも棲み分けがされており、ホンビノス貝は泥の多い砂地で採れることが多い。潮干狩り場をよく観察してみると、波模様の砂浜があったり蛎殻(かきがら)が多くあるエリアなど、同じ干潟でも場所によって様々な表情をみせる。その中で泥の多い砂地を探ってみるといいだろう。

●深い所を好む

 ホンビノス貝は、アサリより深い所で採れることが多い。大きく潮が引く干潮のタイミングに、ひざ位の水深がある場所を探るのがポイントだ。個人的にはこれがホンビノス貝を採る一番のコツだと実感している。熊手で広く浅く探ると、ゴツッとした感触が得られる。