■今が旬!  マテ貝採り

 YouTubeをはじめとする動画SNSの普及により、その独特な採取方法や出演者たちがエキサイトするシーンが話題となっているマテ貝採り。アサリのように砂の中を掘って見つけるといったものではなく、穴探しや塩投入のひと手間、タイミングを見て引っこ抜かなければならない難しさがうけ、一気に潮干狩りの大人気レジャーになっている。

 こちらのマテ貝、実は食べても美味しい食材と言われており、フレンチやイタリアンのメニューでも使われる優等生。レジャーとしても楽しめ、さらに食べても美味しいのなら、これは手に入れなければならない! ということでチャレンジしてみることとなった。

マテ貝との力比べに、大の大人も興奮する

■海の公園とは

 今回訪問したのは、横浜市金沢区にある「海の公園」。ここは市内で唯一の海水浴場のある公園で、ビーチバレーやビーチサッカーなどのスポーツ、潮干狩りを無料で楽しめる施設としても知られている。駐車場も1688台分も備えており、平日休日問わず賑わいを見せている。

 そんな海の公園の中で、最も多くの観光客が訪れるのが潮干狩りを楽しめるこの時期。例年4〜9月は潮干狩りを行える時期であるが、中でも暖かくなり始める5月はピーク時期で、自然発生しているアサリやマテ貝採りを楽しむ人たちで溢れている。

干潮時には干潟が現れる海の公園

■マテ貝採りで使った道具たち

100均で買い揃えたので、1000円以内で楽しむことができた

 まずはさまざまなYouTubeの動画を見て、取り揃えるべき道具を吟味。どれも100円均一ショップで手に入れることができるようなので、ダイソーに足を運び、最低限必要と思われる道具を購入してきた。

 今回用意した道具はこちら。

・潮干狩りセット(スコップ、熊手、入れ物、網目が大きい入れ物)
・粉ふるい器
・ドレッシング用の容器
・食塩 1kg
・虫取り用の網目が小さい入れ物

 トータル878円と安く用意することができたので、万が一採れなくても懐は痛くはないと言い聞かせ、これらの道具と自宅にあったバケツ、釣り用の長靴を片手に海の公園へ向かった。

■いざマテ貝採りへ

 マテ貝採りに行ったのは、日差しの強い暖かい5月の平日。当日は12時に干潮ということで、この時間に合わせて友人と2人で訪問。今回は潮が満ちるまでの90分間での勝負となった。ちなみに、マテ貝採りは潮が引いている干潮の2時間前くらいからできるので、長い時間楽しみたい方は早めの入りがオススメ。

 まず、満潮になったら海水に浸かるギリギリの場所からスタート。砂の下に何かいるかわからないが、とりあえずスコップで5cmほど掘ってみることに。すると、すぐに直径5mmほどの穴がポツポツと出てきた。この中に何かしらの生物がいるに違いないと信じ、ドレッシング用の容器に入れた食塩をふた振りほど入れてみて…… 5秒ほどすると“ニョキ”とわずかながら頭を覗かせるマテ貝が出てきた。

穴をみつけたら、食塩を入れてしばし待つ時間が楽しい

 すかさず指で挟もうと思いきや…… 体の一部を切り離して一気に奥まで引っ込んでいく。どうも身の危険を感じると、自切をする個体もいるらしい。この一筋縄ではいかない難しさこそが人気の秘訣かもと思いながら、引き続き穴を探し、食塩を穴に投入していく。

塩を入れて穴から出てくるマテ貝のうち、6割くらいが自切をしていた

 すると、比較的大きかった穴から、先ほどよりもニョキっと顔を出しているマテ貝を発見! そこでグイと一気に指で掴み、スポッと引っこ抜いて無事に念願のマテ貝をゲットすることができた。

すぐに逃げるので掴むタイミングが難しい
この日は平均して15cmくらいのサイズと大きい個体が多かった

 この調子でコツを掴んでからは、一気に漁師モードに突入。10cmにも満たない小さいサイズはリリースしたが、90分かけて2人で100本超のマテ貝を引き抜くことができ、大満足の遠征となった。

■マテ貝採りをしてみてわかったこと

 1. 振り返ってみると、マテ貝採りを始めた箇所から半径15mほどのエリアで行っており、ほとんど移動することがなかった。少し離れたエリアではスコップで掘っても穴が見つからなかったこともあり、マテ貝は同じエリアに固まっているように感じた。

 2. 今回、90分間しゃがみっぱなしでマテ貝取りをしたこともあってか、翌日以降は今まで経験したことのない股関節の筋肉痛に見舞われた。そのため、しゃがみ座りに慣れていない人は、低いお風呂用の椅子を持参することをオススメ。

 3. 他にあれば良いものとしては、釣りで使用するウェーダー類。膝をついて採取することができ、体勢が楽になるため、あればぜひ持参しておきたい。

 4. 潮干狩りセットに入っていた熊手に関して、ことマテ貝取りでは必要はなし。幅が広いスコップはあれば事足りる。

 5. 網目の大きいネットは隙間からマテ買いが逃げ出すため、今回使用した昆虫採集網のような網目が細かいものを持参することはマスト。

粉ふるい器はクーラーボックスに入れる前の砂落としで重宝した