■3月中旬の釣行・ハス田のホソで良型を連発!

昔から、マブナの乗っ込みは春先の温かい雨(“甘い雨”ともいう)が引き金になるといわれている。湖の水温よりも温かい雨が降ることでホソ自体の水温が上昇し、これを感知したマブナが遡上を始めるというものだ。実際、養魚場ではギンブナの産卵を促すために人工的に水温を上げることがあり、この説にも信憑性がある。
筆者が釣りに訪れたこの日も、ちょうど2日前に温かい雨が降ったばかり。期待に胸を膨らませ、まずは実績のあるホソに入った。しかし、1時間竿を振ってもまったくアタリがない。続いて移動した2か所目のホソでも状況は同じで、魚の気配すら感じられない。水質も悪くはないのに、もしかすると時期がまだ早すぎたのか……。そんな不安が頭をよぎる。
だが、こういう状況は過去にも何度も経験している。どこかのホソでは必ずマブナが動いているはずだ。そう自分に言い聞かせながら、3か所目のホソへ向かった。そこはハス田の横を流れるホソで、水深は30~40cm。ハス田から溢れた水が流れ込んでおり、水に動きがあるため、水質も申し分ない。
「ここなら、いるかもしれない」
シモリウキ仕掛けにエサのアカムシをセットし、釣りを開始。すると、探り始めてから1分もしないうちに、水中の玉ウキがゆっくりと横に移動した。「きた!」と確信し、一呼吸置いてアワセると、竿にズシリとした重みが伝わった。
「おっ、これは間違いなくマブナだ! しかもかなり大きそうだ!」

ググッと手元に響く引き込み。慎重にやり取りを続けると、薄茶色の水の中から銀白色の魚体が浮かび上がった。無事タモ網に収まったのは、本命のマブナ。サイズを測ると尺にはわずかに届かなかったが29cmの良型だ。


「やっぱりいたか!」
思わず笑みがこぼれる。さらに同じホソで仕掛けを投入すると、すぐにアタリがあり、乗っ込み期ならではの20cmを超える良型サイズのマブナが連発した。



他にも、この釣りではお馴染みのコイ(全長46cm)も掛かり、まさに期待していた通りの展開となった。この日の釣果はマブナ6匹、コイ1匹で実釣時間はおよそ3時間だった。



やはり、マブナが入ってくるホソ選びが何よりも重要であることを改めて実感した。一つのホソで釣れなくても諦めず、粘り強く探し続けることが乗っ込み期の好釣果につながるのだろう。
■4月の最盛期にマブナ釣りデビューはいかが!?

4月に入ると、霞ケ浦のマブナの乗っ込みは最盛期を迎える。活発にエサを追うこの時期は、初心者でも釣果を上げやすく、マブナ釣りを始める絶好のチャンスである。春の穏やかな陽気のなか、マブナ釣りの魅力を存分に味わってみてはいかがだろうか。
ただし、4月になるとイネ田への通水と代掻き、ハス田では植え付けが始まり、泥水が流れ込んでホソの水が極端に濁ることがある。そうなると、場所によっては釣りが難しくなるため、状況を見極めながら釣り場を選ぶことが大切になる。だが、どんな状況でも条件の良いホソは必ず存在する。諦めずに水質の良いポイントを探し、粘り強く狙ってほしい。
最後に、乗っ込み期のマブナの多くはお腹に卵を抱えたメスであることが多い(日本に生息するギンブナのほとんどは雌性生殖をするメスだといわれている)。次世代へと命をつなぐ大切な時期であることを忘れず、魚の扱いはいつも以上に細心の注意を払いたい。釣り針のカエシをつぶす、素早くリリースするなど、できる限り魚への負担を減らす工夫を心がけよう。春の訪れを感じながら、マブナ釣りの奥深さと楽しさを味わってもらいたい。
【注意事項】
これからの季節、霞ヶ浦周辺の田んぼでは農作業が盛んになってくる。軽トラックや小型重機の出入りが頻繁になるので、釣り場近くに車を停める際には農作業の邪魔にならないようくれぐれも注意しよう。もちろん釣り場でのゴミのポイ捨てなども厳禁である。
霞ヶ浦・北浦では湖の堤防外にあるホソでの釣りは遊漁券が不要。ただし、桜川、常陸川、新利根川など一部の流入河川で釣りする際は遊漁券が必要になる。