【のりくら温泉郷】日常を離れて非日常を味わう“リトリート旅” 北アルプスから贈られた癒しのプレゼント「3つの源泉」と「名物地元料理」（長野県松本市）

　北アルプスの南端、中部山岳国立公園に位置する乗鞍高原では、60年以上の歴史をもつスキー場「Mt.乗鞍スノーリゾート」（長野県松本市）をはじめ、バックカントリーやスノーシュー・スノートレッキングなどのさまざまなウインターアクティビティを楽しめる。また、3つの異なる源泉をもつ「のりくら温泉郷」という温泉地が開かれ、宿や飲食店が点在するなど、自然の近くで人々の暮らしが営まれている。そんな冬のアクティビティ、温泉、観光をまるごと味わえる乗鞍高原の魅力をもっと知ってもらいたい。

■「Mt.乗鞍スノーリゾート」は、18歳以下リフト無料

　乗鞍高原の冬のアクティビティといえば「Mt.乗鞍スノーリゾート」でのスキー・スノーボード。ゲレンデトップは標高2,000m。良質な雪に恵まれ、非圧雪のワイドバーンから静かな林間コースまでさまざまなロケーションで滑走を楽しめ、最長滑走距離5kmのロンググルージングも爽快だ。晴天の日は存在感のある乗鞍岳や、八ヶ岳、中央アルプスまで見渡せる眺望が最高。そして、24ｰ25シーズンは18歳以下はリフト券無料という大胆なサービスも見逃せない。

　スキー場へのアクセスは、長野道・松本ICから約60分、中部縦貫道・高山ICから約80分。電車なら松本電鉄上高地線・新島々駅からバス60分の距離だ。

■スキー場の外でも自然を満喫

　乗鞍高原にはアウトドアツアーを企画する施設もあり、バックカントリーやスノーシューなどスキー場の外の自然も満喫できる。スキー場の近くにある「善五郎の滝」は冬季は氷瀑を見ることができ、遊歩道が整備されているので、スノーシューをレンタルして散策に出かけてみるのもおすすめだ。

　落差20mの滝が凍りついた景色は迫力満点。夏季には近づけない滝壷まで行くことができるので、間近で氷瀑を見ることができる。ただし、シーズンはじめや後半は、氷がもろくなっていて危険なので、状況によっては離れた場所から鑑賞するだけでにとどめておこう。

■泉質の異なる3つの温泉

　そして乗鞍高原は、個性ある3つの源泉を楽しめる温泉地があることも魅力。「乗鞍高原温泉」は乗鞍岳の山腹から湧く湯を引湯した乳白色の単純硫黄泉。「すずらん温泉」は無色透明で、炭酸水素イオンを多く含み、刺激の少ない単純温泉だ。そして、カルシウムやマグネシウムを含んだ「安曇乗鞍温泉」は地下1,300mから湧き出るサラサラとした温泉で、美人の湯ともいわれている。

　これら3つの温泉を「のりくら温泉郷」と称し、スキー場周辺をメインに日帰り温泉施設「湯けむり館」や、温泉完備の宿がいくつも点在。高原内の引湯施設は57軒もあり、自然の恵みをじっくりと堪能できる。

　今回宿泊した「あったか温泉宿 美鈴荘」も温泉完備の快適な宿。温泉は24時間入浴可能で、源泉かけ流しの「乗鞍高原温泉」を内湯と露天風呂で堪能できる。野趣あふれる露天風呂は、雪が舞う日は幻想的な雪見風呂、空が澄んだ夜は満天の星空を仰ぎ見ながら湯浴みを楽しめる。こうした喧騒のない非日常のなかでゆっくり過ごす“リトリートな旅”は、心と体を癒してくれる。

　地元の食材を積極的に取り入れた食事は、信州名物の馬刺しをはじめ、山菜や岩魚など品数が豊富でボリューム満点。名物の「鍋料理」には宿のご主人が採ってきた天然きのこがたっぷり入っており、具だくさんで食べ応えがある。そして“鍋のシメは”は、きのこのだしが利いた汁に地元コシヒカリを入れて雑炊で。

■高原内にある無人コンビニ

　「あったか温泉宿 美鈴荘」の近くには、無人のミニコンビニエンスストア「山の小さなマルシェ ボルスタラ」が24時間営業でオープン。屋外には自動販売機、建物の中には、冷凍の馬刺しなどの肉、川魚、お米やカレー、カップラーメン、ドリンク類などが用意されている。日用品なども揃っているので、何か必要なものがあればここに立ち寄ってみよう。支払いはQRコード決済が利用できる。