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雪道の運転は普段以上に注意が必要になるが、その状況はさまざま。雪が積もったばかりの道路は意外に滑らないともいわれている。摩擦抵抗があり、ブレーキもハンドルもある程度効いてくれるからだ。
しかし路面に一度積もった雪が溶けて、再度凍結するとアイスバーンとなり、平らな氷の路面が発生する。これが非常に滑りやすく、危険だ。筆者もアイスバーンに気がつかず、橋の路面でスリップして反対車線に飛び出してしまい、ひやっとしたことがある。雪国で運転するようになってから20年、慣れたつもりでも、アイスバーンとわかりにくいところは案外多いのだ。
そんな雪道で事故を減らすためには、滑りやすい路面が発生しやすい場所を意識して運転することが大切だ。そこで今回は雪道を運転する際の3つの意識すべき条件と、意外な注意点を紹介する。
■トンネルは出入口付近に注意
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山間部に多いトンネルの出入口付近は、アイスバーンが発生しやすい。山から吹きおろす風によって、路面が冷やされて凍結しやすいのだ。また、地形的に日陰になる時間が長い場所では雪や氷が溶けにくく、一度アイスバーンになると長く残ってしまいやすい。
さらに、トンネル内部の状況がそれとは異なることも、事故に繋がる要因となる。
トンネル内部は車の排熱の影響などで気温が高くなりやすく、距離の長いトンネルほどその影響は大きい。するとトンネル内部の路面は凍結せず、降雪もないため通常の路面感覚で運転し、ついスピードが出てしまう。
その状態でアイスバーンが発生している出口に差し掛かることで、急な路面の変化に対応できず事故につながってしまうのだ。距離の長いトンネルは通常感覚で運転する時間が長くなるため、特に用心したい。
トンネル内に凍結がなくてもスピードは抑えること、車間距離を十分にとり、出口では徐行して路面の変化に備えよう。
■橋の路面は凍結しやすい
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気温が氷点下に達していなくても、橋の上だけ凍結している場合がある。冬季の橋は周囲より冷えやすく、橋自体が結露して路面が濡れる現象が起こるのだ。この現象に強い冷え込みが加われば、橋の路面だけがアイスバーンになる。
もっとも危険なのは、アイスバーンに気づかず、通常の路面感覚で橋に進入してしまうことだ。凍結している感覚がないため、スピードがついたまま重大事故につながってしまう。
降雪が少なくても、気温が低い日に橋を通行する場合は特に注意してほしい。
■日没後の路面は濡れて見えても要注意
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日中に雪が溶けて、夜間の冷え込みによりアスファルトの上に氷の膜ができてしまう現象がある。路面が黒く濡れて見えることからブラックアイスバーンと呼ばれる。このブラックアイスバーンの路面で特に注意が必要なのは、信号や交差点などの車が停止するエリアだ。多くの車のブレーキの影響により氷が磨かれていき、氷の上に水の膜が形成され非常に滑りやすい箇所になる。
夜間は日差しもなく、気温も一段と下がる。積雪がなくてもどこで凍結しているか予測がつかない。日中と同じ感覚で運転せず、どこが凍っているかわからないと意識しながら運転することが大事だ。