■実際に野外で使えるかを検証

左:トランギアのアルコールバーナー「TR-B25」右:RAMIXER(ラミクサー)の「パイトーチ型アルコールバーナー」の方が直径でひと回り小ぶりだ

 アウトドア用品としての実力を、冬の登山やキャンプに使うことを想定して気温0℃の野外で検証してみた。アルコールバーナーは冬場に燃料の蒸発が遅く、火力が弱まる傾向があるが、「パイトーチ型アルコールバーナー」の実力はどうだろうか。名品「TR-B25」と比較してみた。

パイトーチ(右)の方が約2分早くお湯を沸かすことができた

●300mlのお湯が沸くまでの時間を検証

 カップラーメンに必要なお湯300mlを、どちらが早く沸かせられるか試す。同じ条件にするため、炎の先端からクッカーの底までの距離を同じにして計測開始。クッカーの蓋に開いている穴から蒸気が勢いよく上がったら沸騰と判断した。

 結果、「パイトーチ型アルコールバーナー」は6分16秒、「TR-B25」は8分27秒で沸騰した。気化燃焼型で炎がゆらぐ「TR-B25」に比べ、「パイトーチ型アルコールバーナー」はジェット噴射型の加圧燃焼なのでクッカーの底にしっかりと炎が届き、より短い時間でお湯が沸いたと考えられる。暖かい季節ではさらに早く沸くだろう。

 また、「パイトーチ型アルコールバーナー」の満タン量である50mlに合わせて、それぞれの燃焼時間を計測した結果、「パイトーチ型アルコールバーナー」は約14分、「TR-B25」は約15分となった。なお、「パイトーチ型アルコールバーナー」は燃料が少なくなるとゴーッという音が消え炎が弱くなり、やがて自然に消火する。

●「パイトーチ型アルコールバーナー」と「TR-B25」のサイズと重量の比較

筆者が使用するクッカーに入れたマグカップにスタッキングしてみた

 できるだけ荷物をコンパクトにまとめたい登山やキャンプでは、小さくて軽い方がよい。気になるサイズだが、「パイトーチ型アルコールバーナー」は(直径5.4cm、高さ7.3cm、重量128g)で「TR-B25」は(直径7.5cm、高さ4.5cm、重量112g)だ。「パイトーチ型アルコールバーナー」は「TR-B25」に比べて直径がひと回り小さく、筆者が使用する容量250mlのマグカップにスタッキングでき、コンパクトにまとめることができた。

 本体はステンレス鋼なのでスタッキングするクッカーやマグカップのコーティングが削れやすい素材の場合は、薄い布などを巻くなどして保護したい。

■「パイトーチ型アルコールバーナー」の注意点

 「パイトーチ型アルコールバーナー」に燃料を入れておくと、移動の際に銅管の穴から漏れてしまうので、使い切るか燃料を元に戻す作業が必要となる。また、使用後の本体が高温になるので、やけどに注意したい。

 さらに、この手のアルコールバーナーを使用する際に必須の五徳は付属していないため、別途用意しよう。「パイトーチ型アルコールバーナー」の高さは7.3cmなので、「TR-B25」などで使う背の低い五徳は使えない。高さ8cm以上のものが必要である。ちなみに筆者は100円ショップの高さ約10cmのミニ焚き火台を使用している。

■結論!「パイトーチ型アルコールバーナー」はアウトドアで十分使用できる!

 今回の検証で「パイトーチ型アルコールバーナー」は、アウトドアで湯沸かしなど短時間の調理に十分使用できるアルコールバーナーであることが実証できた。独特なビジュアルが特徴で、ガスバーナーよりもコンパクト。またアウトドア好きとしては、所有すること自体がワクワク感を与えてくれる。価格も2,000円台と手頃なので、登山やキャンプのギアとしてぜひ取り入れてはいかがだろう。

 

パイトーチ型アルコールバーナー
価格/2,460円(税込)
カラー/シルバー、ブラウン

※この記事の情報は2025年1月現在のものです。価格や在庫状況が変更されている場合もありますので、最新の情報はリンク先のHPでご確認ください。