キャンプの設営を終え、焚き火を眺めながらの一杯。これこそが至福の時と感じる酒呑みは多いのではないだろうか?  筆者は大の日本酒好きで、日本酒のソムリエである「きき酒師(ききざけし)」資格を取得している。アウトドアシーンでも日本酒を楽しみたいが、キャンプギアにはちょうどよいサイズの酒器がなく、かといって自宅で使用する酒器は壊れやすい材質が多く、キャンプへ持っていくのは気が引ける。

 今回はそんな筆者が試行錯誤の結果見つけた、コスパよくキャンプに気軽に持参できる酒器を3つ紹介する。 プラカップに注いだビールで乾杯ももちろん楽しいが、たまには持参した酒器で日本酒を愉しみ、こなれ感を演出するのもよいのでは。

■「きき酒師」とは?

 「きき酒師」とは、日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(SSI)の認定資格で「飲み手に日本酒をおいしく飲んでいただくための資格」だ。 酒類全般の基礎知識をはじめ、特に日本酒の知識、提供方法を身につけ、 的確な日本酒スキルの向上を目指している。

 日本酒の特性と、それに合った酒器を使用することで、日本酒を飲んで・見て・楽しく飲めるペアリングも提案できる資格となっている。

■こなれ度初級 100円ショップで気軽に手に入る「おちょこ」

割れても惜しくない? 高コスパおちょこ

 1つ目は、「おちょこ」。日本酒と言えば、これ! という代表格の酒器だ。筆者がアウトドアで使用しているおちょこは、100円ショップで購入したものだ。値段的に割れてしまっても惜しくないため、気軽に持ち出せる。また小さいサイズなので、シェラカップなど大抵のギアにスタッキング可能で持ち運びに便利なため、気軽に挑戦していただきたい。

■こなれ度中級 原価0円! 家で眠っている「空き瓶」

北海道旅行で食べたプリンの空き瓶がなんともエモい

 2つ目は、「小ぶりな空き瓶」。瓶入りのヨーグルトやプリンを食べた後、いつか使うかも……と思い、捨てられない空き瓶を家で保管していないだろうか?  透明なガラス素材を酒器にすると、日本酒の色味を楽しめる。自然のなかで普段は気にしない日本酒の色合いを眺めていると、きっと新しい発見があるはずだ。

 最近、夏時期に発売されるトレンド商品といえる微発泡性の日本酒。注いで観察していると発泡の様子がまるで日本酒が呼吸しているように見え、楽しみとなっている。また、使用後はキャンプ場指定の方法で廃棄できることが多いのも試しやすいポイントだ。仮に割れてしまっても惜しくないので、気軽に挑戦していただきたい。