■ジャンプ炸裂! キツネの見事なハンティング
この日は、残念ながらキツネの決定的な狩りの瞬間を目にすることはできませんでした。しかし、数年前に私が見た時は、見事な狩りを披露してくれました。上に向かって高く飛びあがると、頭から地面に突っ込み、地中にいるモグラのような小動物を何匹も捕まえました。まるで懐かしい映画『キタキツネ物語』を想起させるようなシーンでした。
ちなみに、チェコの研究者によれば、キツネジャンプによる狩りは、北に向けてジャンプした場合の成功率は74%。しかし、北以外の方向にジャンプした場合の成功率は18%未満にとどまるとのことです。この時の基地のキツネも、まさに北方向にジャンプをしていました。なぜ、北に向かってジャンプをすると獲物をとりやすいのでしょうか、不思議なことです。
■彼らが野生動物として、幸せを感じていることを願っています
徐々に日が暮れていき、あたりが暗くなってきてもキツネは活発に行動していました。バックには富士山が映っています。これからが彼らのハッピーアワーなのでしょう。
二重のフェンスを通して垣間見ることができた横田基地のキツネの生態。時に動物園にいるかのような錯覚に陥る瞬間もありましたが、その行動は野生動物そのものでした。しかし、基地の中に住むことで人や外敵から守られている半面、基地の外に出ることもできません。彼らは、その現実をどうとらえているのでしょうか。彼らが、「東京のキツネ」「基地のキツネ」として、今ある生活に幸福を感じつつ新たな一年を過ごすことを願いながら帰路につきました。