■ジャンプ炸裂! キツネの見事なハンティング

「お腹が減ってきたなぁ。そろそろ獲物を見つけたいものだ」舌なめずりをしながらエサを探すキツネ
得意のキツネジャンプ! その高さは1.5mにも及ぶとのこと(2022年撮影)
見事モグラのような獲物を捕まえました(2022年撮影)

 この日は、残念ながらキツネの決定的な狩りの瞬間を目にすることはできませんでした。しかし、数年前に私が見た時は、見事な狩りを披露してくれました。上に向かって高く飛びあがると、頭から地面に突っ込み、地中にいるモグラのような小動物を何匹も捕まえました。まるで懐かしい映画『キタキツネ物語』を想起させるようなシーンでした。

 ちなみに、チェコの研究者によれば、キツネジャンプによる狩りは、北に向けてジャンプした場合の成功率は74%。しかし、北以外の方向にジャンプした場合の成功率は18%未満にとどまるとのことです。この時の基地のキツネも、まさに北方向にジャンプをしていました。なぜ、北に向かってジャンプをすると獲物をとりやすいのでしょうか、不思議なことです。

■彼らが野生動物として、幸せを感じていることを願っています

日没が近づく中、さらに獲物を求めて歩き続けます
後ろ足を大きく開き腰を落としていました。放尿をして自分の匂いをつけているのでしょうか
フェンス越しに見る富士山のマジックアワー。月齢1の細い月が西の空にかかっていました

 徐々に日が暮れていき、あたりが暗くなってきてもキツネは活発に行動していました。バックには富士山が映っています。これからが彼らのハッピーアワーなのでしょう。

 二重のフェンスを通して垣間見ることができた横田基地のキツネの生態。時に動物園にいるかのような錯覚に陥る瞬間もありましたが、その行動は野生動物そのものでした。しかし、基地の中に住むことで人や外敵から守られている半面、基地の外に出ることもできません。彼らは、その現実をどうとらえているのでしょうか。彼らが、「東京のキツネ」「基地のキツネ」として、今ある生活に幸福を感じつつ新たな一年を過ごすことを願いながら帰路につきました。