■津久井湖と周囲の山々の展望! 津久井城山登山レポ
●津久井湖観光センターと津久井湖
津久井湖が一望でき、地域の名産品から新鮮な地場野菜などが並ぶ、津久井湖観光センター。周辺には季節の花が楽しめる公園が隣接し、ちょっとした散策が楽しめる。
道路を挟んでそびえる山には、かつて山城があったことは前述のとおりだが、その当時、津久井湖は存在していない。なぜなら、津久井湖は昭和40年に造られた人造湖だからである。もしも戦国時代から津久井湖が存在していたならば、より強固で攻略困難な山城として、その名をとどろかせたことだろう。
●歴史上の遺構を見学しながら城山山頂を目指す
津久井湖観光センターで準備を整えたら、登山口に向かおう。登山口は、津久井湖を背にして、車道の上に架けられた橋を渡ればすぐだ。
しばらくはしっかりと舗装された「湖畔展望園路」を歩き、展望デッキへ。ここから先が山道となるが、整備が行き届いており、傾斜も総じてゆるやかだ。また、標高が低いので雪の心配も少なく、冬季でも安心して歩くことができる。
山頂直下では、階段状の石段を見ることができ、鎧など武具の出土品も見つかっている。山麓部には、お屋敷跡など、かつての生活の様子が垣間見えるような遺構を見ることもできる。
戦国時代、政治・経済・軍事上の要所として、利害関係にある勢力のせめぎ合いが絶えなかった津久井地域。遺構を通して歴史に触れ、当時に思いを馳せながら歩くこと1時間弱、見晴らしのいい山頂に到着だ。山頂に備えられたベンチに腰掛け、穏やかに水を湛える津久井湖と周囲の美しい山々の景色をゆっくりと楽しんでほしい。