■休憩所から山頂までの標高差100mが核心部

手前の屋根が東屋。ここから山頂まで鎖場が続きます

 この休憩所から山頂まで、標高差はわずか100mほどしかありません。しかし、山頂まではずーーーっと急な鎖場とロープが続きます。

 体力や高い場所に自信がない方は、ここで折り返した方が良いかもしれませんと言いたいくらい、ガラッと登山のレベルが変わるのでご注意ください。

山頂まで、ずっとこの調子が続きます

 ここからは、滑りやすい岩の登山道を鎖とロープを頼りに登っていきます。これは、なかなかの傾斜。15分ほど無心で登り続けて、視界に空が開き始めたら、山頂はもうすぐそこです。

■山頂からの見下ろす景色は、足がすくむほど

山頂からの展望はまさに大パノラマ

 辿り着いた山頂は、断崖絶壁に突き出すように延びています。勇気を出して先端に立つと、360度の大パノラマが待ち受けており、遠くには富士山や丹沢、箱根、伊豆半島まで見渡せます。

すぐ下を走る車や集落がジオラマのように見えます

 見下ろすと集落や車がジオラマのように見え、足がすくむような高度感があります。高い所が苦手な方は、頭がくらくらしてしまうことでしょう。

西側の麓から見上げると双耳峰であることがよくわかる。右が南峰、左が北峰

 じつは伊予ヶ岳は双耳峰になっており、最高峰はこちらの南峰ではなく、歩いて5分ほどの場所にある北峰です。せっかくなら足を延ばしてみましょう。こちらから先ほどまでいた南峰を見ると、先ほどまで自分がどれだけ恐ろしい場所に立っていたかがよくわかります。

北峰から見た南峰。なかなか迫力のある場所でしょう?

 このまま北側の斜面を回り込めば、急な鎖場を下る必要はありません。しかし、北側もかなり滑りやすい泥の斜面が続き、かなり大回りになるので、個人的には来た道を往復するルートをおすすめします(土日などの混雑していてすれ違いが大変な日や、鎖場を下るのが怖い方には北側の回り道ルートでの下山を推奨)。