■中国ではアウトドア用品購入は、ネット通販がメインである理由

 西安路は大連屈指の繁華街であるが、筆者が調べたところ、アウトドアショップは駱駝戸外運動城の1店舗のみ。大連市内には他にも数店舗アウトドアショップはあるが、それぞれの距離はかなり離れている。つまりアウトドアショップは日本と比べてかなり少ないイメージだ。

 理由を中国の人に聞くと、アウトドア用品は通販がメインだという。

 それは、生活必需品ではないからではないだろうか。筆者は30年近く中国に関わっているが、中国はとにかく国土が広い。例えば、中国の一地方都市に過ぎない大連市でも面積は1万2,574平方km。

 国土地理院の「都道府県別面積の順位」によると4位の長野県が1万3,104.95平方km、5位の新潟県で1万0,363.75平方kmだ。つまり土地が広すぎるため、実店舗の数を増やしたとしても採算が取れないのだろう。

 実際、現在の中国は超がつくほどの通販社会。昼ご飯や飲み物ですら「外売(ワイマイ)」というUberEATSのような出前を使う人が多い。ちなみに中国に住んでいる人は「陶宝(タオバオ)」や「天猫(T-Mall)」といったインターネットショッピングモールを利用して、アウトドア用品を購入することが多い。

■中国オリジナルのアウトドア用品ブランド

 世界の工場ともいわれる中国だが、世界中のアウトドアブランドからOEMの依頼も絶えない。中国には実店舗は少ないものの、アウトドアブランドは意外と多い。例えば、今回紹介したCAMEL以外にも、以下のようなアウトドアブランドがある。

・牧高笛(MOBI GARDEN):アウトドア用品全般
・兄弟捷登(BRS):主に火器
・Naturehike:テントやシュラフ、リュックなど布製品
・愛路客(ALOCS):主にアルコールストーブ
・火楓(FIREMAPLE):主にクッカー
・鎧斯(Keith):チタンクッカー、食器

 ちなみに筆者は、FIREMAPLEのやかんを使っている。とても丈夫で20年近く使っているが、れる様子もない。山だけではなく、日常使いもできるのでお気に入りだ。

筆者が長年愛用しているFIREMAPLEのやかん
FIREMAPLEのやかん。長年使用してロゴが薄くなり、取っ手のゴムも裂けているがまだまだ使用できる

 最近は、日本でもAmazonなどで購入できる中華アウトドアグッズも増えている。もちろん日本では購入できないブランドもまだまだあるが、買い替えや買い足しの際は検討してみてもよいだろう。

 世界中のアウトドアブランドのOEMを引き受ける中国。探せばワークマンのように安くて品質がよく、他の人とかぶらないアウトドアグッズに出会えるはずである。