長い残暑が終わり、朝晩を中心に秋の訪れが近いことを感じさせてくれる陽気になってきた。
標高の高い山域ではすでに秋の訪れとともに紅葉が始まろうとしている。紅葉の季節といえば、登山に最適と呼べるシーズンだ。
今回は、そんな登山シーズンに気をつけたいことを筆者の体験談を交えて紹介したい。
■思ったよりも暑かった
9月、10月は下界では汗ばむ陽気が続く。山でも同様に日中は気温が上がり、汗ばむ陽気となることもある。
寒さにばかり気を取られ、筆者は厚手のアンダーウェアを選択し寒さに備えたが、訪れた日は気温が上がり、山頂に着く頃には大量の汗でウェアの色が変わってしまうほどだった。
寒暖差が大きくなる季節のため、ウェアの脱ぎ着による調節が重要になる。アンダーウェアなどは夏用を使い、それにプラス1枚、脱いだり着たりしやすいウェアで調節したい。
■思ったよりも寒かった
暑さとは反対に寒さにも気をつけたい。下界ではまだまだ半袖で過ごせる気候でも、標高が高いところでは、驚くほどに気温が低い。気象庁の調べによれば、標高が100m上がると気温が約0.6℃下がると言われている。
例えば、海沿いでは気温が30℃だったとしても標高が1,500mの場所では約9℃も気温差が生まれる可能性がある。
暑い時と同様に、行動中はウェアの着脱でこまめな調節を心がけたいのと、体を冷やさないために防寒着を必ず携帯したい。
朝晩の気温が下がる秋の山では空気も澄み、遠くまで見渡すことができる。せっかくの絶景を前に寒さで震えていては楽しみも半減してしまうし、冷えた体は運動能力が低下するリスクもある。安全に景色を満喫するためにも防寒着は必ず携帯したい。
■思ったよりも紫外線が強かった
気温が下がると、太陽光の暖かさは心地よく感じる。だが、そこにも気をつけなければならないことがあるのを忘れないでほしい。
9月、10月も日差しの強い日は多く、日焼けへの対策が必要だ。肌の露出を減らし、日焼け止めを塗ることで対策するのがよいが、汗ばむ陽気のなかで、つい腕まくりをしてしまうこともある。
筆者は暑さで腕まくりをして露出した部分に日焼け止めを塗るのを忘れて行動を続け、下山後の入浴時にヒリヒリとした痛みで日焼けに気づいた経験がある。
行動中に暑さを感じ、汗ばむ陽気ではあったが、肌が焼けるようなジリジリした日差しではなかったため、軽視した結果、皮が剥けるほどになってしまったことがある。
日焼け止めの塗布を忘れないことと、帽子、サングラスでしっかりと紫外線をシャットアウトしたい。