■標高差1,000mの急登!

日高の山の尾根は急で長い!

 最後の徒渉を終えると、楽古岳への尾根に取り付く。序盤からいきなりの急登だが、この急斜面は延々と続く。「山を歩く」ではなく、まさに「山を登る」。そんな言葉がぴったりの登山道。山頂までの標高差は尾根取り付きから約1,000mだが、肩までの標高差800mほどはずっと急登が続く。

 途中水場はなく、休憩に適した平坦地や見晴らしの良い場所もほとんどない。下山のことを考えて、余力を残して登りたい。崖ではないが、転げ落ちると止まらない斜度が続いている。

■変化にあふれた登山道、登り切った達成感が待つ山頂へ

目指す山頂まであと一息!

 肩まで登ればそれまでの苦労が報われるように、展望が開けてくる。最後の這松帯を一登りすれば、楽古岳の山頂だ。徒渉を繰り返し、急登を登り切って到達した山頂は、登山の達成感でいっぱいになる。単調な登山道と異なり、ダイナミックな変化にあふれた登山道だ。

 沢を詰めて、急峻な尾根を登って山頂へ至る楽古岳。原始の自然味あふれる日高山脈襟裳十勝国立公園の山の魅力を存分に味わうには最適な山といえるだろう。