山梨県の御坂山地(みさかさんち)に属する「三ツ峠山(みつとうげやま)」は、日本二百名山や山梨百名山、甲信越百名山などに選ばれている山だ。三ツ峠山は3つの山の総称で、開運山(かいうんざん)、御巣鷹山(おすたかやま)、木無山(きなしやま)から成っている。最高地点となるのが標高1,785mの開運山で、富士山の展望が素晴らしい。

 今回は三ツ峠山からの富士山の景色を楽しみながら3つの山をめぐるルートを紹介したい。道迷いや急登、危険箇所はなく、安心して歩けるルートだ。

■三ツ峠山登山口から林道を通って、木無山へ

三ツ峠山登山口にはトイレが設置されている

 紹介するルートは所要時間が約3時間15分で、起点となるのは三ツ峠山登山口だ。登山口には無料で利用できる県営駐車場とトイレがある。

 三ツ峠山登山口からは三ツ峠山へと続く登山道のほかに清八山(せいはちやま)、本社ヶ丸(ほんじゃがまる)につながっている。案内板があるので迷うことはないが、地図を確かめてからスタートしよう。

 登山道は未舗装の林道が続いており、車が通れるくらいの道幅で歩きやすい。最初の目的地である木無山までは約1時間15分、樹林帯を歩く。

木漏れ日が気持ちのいい歩きやすい登山道

 約1時間ほど登ったところで「三ツ峠山荘」との分岐点に到着する。このあたりから待ちに待った富士山を望むことができる。分岐点から15分ほどで木無山山頂に着く。

 木無山山頂自体は樹林帯の中にあるので眺望はないが、木無山山頂までの道中に展望地があるので、ぜひ立ち寄って富士山の景色を楽しんでほしい。展望地への案内板はないが、ベンチ横から先へと続く登山道を辿ると展望地へといける。

木無山に向かう途中のベンチ。脇道を辿ると展望地に行ける

■三ツ峠山山頂から望む絶景の富士山

三ツ峠山荘に設置されているベンチとテーブル。ここからの眺望は抜群

 木無山から分岐点まで戻り、三ツ峠山荘へと向かう。三ツ峠山荘は通年営業している山小屋で、宿泊のほか軽食を食べることができ、山荘の周りにはベンチやテーブルが設置されており、無料で利用できる。山荘から見る富士山の眺望も素晴らしい。

 最高地点の開運山山頂は時間帯によって混み合うため、昼食と一緒に眺望をゆっくり楽しむなら三ツ峠山荘がおすすめだ。

 木無山から開運山(三ツ峠山)までは約25分。しっかりと整備された階段を登っていくと、NHKのアンテナ塔が見えてくる。アンテナ塔の脇を抜けていくと開運山山頂だ。

「三ツ峠山」の標識は最高地点の開運山山頂にある

 開運山山頂からは富士山と眼下に広がる都留市の街並みが一望できる。そのほか八ヶ岳や南アルプスの眺望も広がる。

 冬の富士山は雪のコントラストが素晴らしいが、夏の富士山は森林(緑)と、森林限界を超えた赤土のコントラストが楽しめる。