京都には数多くのパワースポットが存在する。観光客の多い中心街から少し離れ、出町柳(でまちやなぎ)周辺で5か所のパワースポットをめぐる、街歩きハイキングを紹介する。

■全国の神々が集う「吉田神社」

阪急西山天王山駅の近くを走る府道79号線(撮影:山本佐和​​)

 最初に向かったのは、京阪鴨東(おうとう)線出町柳駅から徒歩20分の場所にある「吉田神社」。

 吉田神社は貞観元年(西暦859年)に創建され、1100年以上も前から平安京の守護神として、多くの人々から信仰されてきた。特に室町時代から続いている節分祭が有名で、2月の節分祭には全国から50万人もの参拝客が厄除け祈願に押し寄せるという。

 京都を代表するパワースポットの1つだが、実はシーズンオフは比較的空いている穴場なのだ。しんと静かな境内に、隣接する幼稚園の子どもたちの声が朗らかに響いている。

全国の神々を祀る大元宮(撮影:山本佐和​​)

 吉田山に広がる緑豊かな境内には、本宮を合わせて10の社が鎮座していて、祀られているのは知識の神様や菓子の神様、料理の神様など多種多様だから面白い。

 中でも神社の奥に鎮座している大元宮(だいげんぐう)は、全国の八百万の神々が祀られているという珍しいお社だ。吉田神社を訪れると全国の神々にもお参りできるとは、なんだかすごくラッキーな気分である。

 重要文化財に指定されている本殿の佇まいは荘厳だ。普段は門の外からの参拝になるが、毎月1日と正月、節分祭のときには中まで入れるので、タイミングを合わせて参拝するのも良いだろう。