■ここが山頂!?  広大な山頂エリアから望む「大展望」と「大岩壁」

赤岩の頭から見た時には想像もつかなかったほど広大なエリアが山頂に広がる

 危険を感じるような箇所はないが、浮石が多く、ガレ場や滑りやすいザレた登山道を慎重に登ること25分、山頂のケルンが見えてくると同時に、サッカーコートほどはありそうな広大なスペースがあることに驚く。

岩壁の周りは歩くことができ、見る角度によって雰囲気がかなり変わる

 山頂に到着すると北側の大岩壁を望むことができ、山頂エリアの広さと、大岩壁の迫力に圧倒されてしまった。筆者は年がいもなく「わー」と「すげー」を連呼し続けてしまった。

八ヶ岳の雄大な景色と、奥に見えるのは南アルプス

 すごいのはそれだけではない。山頂から眺望する南八ヶ岳の山々は雄大で距離も近く、スケールの大きさを感じ取ることができる絶景だった。

 山頂スペースが広大なため、好きな景色を選んで休憩ができる。南八ヶ岳や南アルプスを眺めながらにするか、大岩壁を見ながらにするか、遠くの北アルプスを望むか、悩んでしまうほど素晴らしい。ぜひお気に入りの景色をみつけてほしい。

■硫黄岳から夏沢峠までの下山ルートは、眺望抜群の稜線歩き

夏沢峠に向かう途中の稜線から望む北八ヶ岳方面。青い屋根の小屋があるのが夏沢峠

 下山は夏沢峠へと下り、オーレン小屋へと向かう。硫黄岳から夏沢峠までの稜線は眺望がよく、北八ヶ岳の山々を眺めながら歩ける。眺望のいい稜線だが、ガレ場もある急な区間なので注意して下山したい。夏沢峠までは約50分だ。

 夏沢峠からオーレン小屋までは起伏の穏やかなシラビソの樹林帯となり、オーレン小屋から桜平までは登ってきた道を下山する。オーレン小屋から桜平登山口までの所要時間は約1時間45分だ。

 筆者が訪れた時は山頂の気温が10℃を下回っており、ダウンジャケットを羽織ってちょうどいいくらいだった。

 硫黄岳は強風地帯としても知られている。標高も高いので防寒だけでなく、防風対策もしっかり準備して出かけてほしい。

 

登山ルート
桜平登山口⇒(1時間30分)⇒オーレン小屋⇒(1時間10分)⇒赤岩の頭⇒(25分)⇒硫黄岳⇒(50分)⇒夏沢峠⇒(20分)⇒オーレン小屋⇒(1時間25分)⇒桜平登山口

●【MAP】桜平駐車場(中)