周期的に強い寒波が流れ込み、寒い日があるかと思えば、春の陽気に包まれ、季節外れの暖かさを感じる日もある。暖冬に見られる特徴的な寒暖差に体調を維持するのもひと苦労だ。

 本格的な春が始まる前に、おすすめの雪山登山ルートを紹介したい。四季を通じて多くのハイカーで賑わう「八ヶ岳」の登山ルートだ。

 登山といえば「山頂」を目指すのがセオリーだが、今回おすすめしたいのは「食」。山小屋で食べることができる名物料理を紹介する。

■天狗岳登山や八ヶ岳縦走のハイカーで賑わう黒百合ヒュッテ

外観は昔からの雰囲気を残しつつ、断熱性、耐震性を向上させリニューアルした「黒百合ヒュッテ」(撮影:山歩ヨウスケ)

 標高約2,400mの北八ヶ岳のしらびその森の中、黒百合平に建つ山小屋「黒百合(くろゆり)ヒュッテ」。
通年営業している山小屋で登山シーズンはもちろん、冬季であっても多くのハイカーで賑わう山小屋だ。黒百合ヒュッテからは北八ヶ岳の最高峰「天狗岳(てんぐだけ)」や「にゅう」への登山をするのに便利な山小屋だ。八ヶ岳縦走をする人にとっても拠点となっている。

 山小屋の老朽化が進んでいたが、2023年の12月に約3年を費やした改装を終え、昔ながらの外観は保ちつつ、断熱性、耐震性を向上させリニューアルした。

小屋の外ではカラフルなテントが立ち並び、賑わいをみせる(撮影:山歩ヨウスケ)

■黒百合ヒュッテの名物「ビーフシチュー」

 冒頭でもお伝えした通り、今回最もおすすめしたいのが黒百合ヒュッテで食べることができる名物料理「ビーフシチュー」だ。

名物の「ビーフシチュー」。想像以上のおいしさに標高2,400mにいることを忘れる(撮影:山歩ヨウスケ)

 ほろほろになるまで煮込まれた肉がゴロゴロと入っており、濃厚な味は登山をしてきた体に染み渡る。

 ビーフシチューは単品で1,300円、ライスまたはパンのセットにすると1,600円。味もさることながら、山で食べるには大満足のボリューム感で、標高2,400mでこれだけのクオリティの料理が食べられるのだから、日常ではコンビニなどで手軽に安く済ませることが多い筆者だが「安い」と感じてしまった。

 小屋では缶ビールやホットワインも提供しているので、一緒に頼めば最高の贅沢をすることができる。くれぐれも飲み過ぎには注意したい。