■7月上旬に釣行。3時間で26匹の釣果

テナガエビは消波ブロックのすき間の奥に潜んでいることが多いのでそこを狙おう(撮影:水卜ヤマト)

 当日は霞ヶ浦(西浦)の南岸エリアにあるポイントに入った。ここは足場のいい護岸のすぐ隣に消波ブロックが沈められており、多くのテナガエビがいる実績ポイント。定石通りに消波ブロックのすき間に仕掛けを投入すると、わずか10秒ほどで水中にある玉ウキが横へと動き始めた。

 「おっ、さっそくテナガエビのアタリだ!」

 しかし、ここで喜び勇んでアワセを入れてもテナガエビはまず掛からない。というのもテナガエビはエサを見つけると、まずは安心して食べられる場所まで手でエサを運んでから口にするという習性があるためである。

 玉ウキが横へと動き出したということは、テナガエビが今まさにエサをつかんで移動している最中だということ。ここはグッと我慢して、ウキの動きが止まるまでしばらく(10秒ほど)様子を見守ろう。

 そしてウキの動きが止まったら、エサを食べ始めた可能性が高い。しかし、この時点ではまだハリが口の中に入っていない可能性があるため、さらに10~20秒我慢。

 そろそろ頃合いかなと思ったら、仕掛けをゆっくりと20cmほど持ち上げてハリ先にテナガエビの重さを感じられるかどうか確かめてみよう。もし感じられたら、そこからさらに仕掛けを持ち上げると今度は「クン、クン、ククンッ!」という小気味いい振動が手もとに伝わってくるはずである。

 この振動はテナガエビがハリを外そうとして尻尾をはたいている動きによるものだ。ここまでくれば口にしっかりとハリが掛かっているはずなので、バレる心配はほとんどない。あとはテナガエビをやさしく取り込んでやるだけだ。

この日最初に釣れたのはオスのテナガエビ(撮影:水卜ヤマト)
サイズは腕の長さも加えると12cmほどあった(撮影:水卜ヤマト)
こちらはメスのテナガエビ。オスのように手は長くない(撮影:水卜ヤマト)

 この釣りに慣れないうちは、仕掛けを上げるタイミングがなかなかつかめずにバラシを連発してしまうことが多いと思う。しかし何度も失敗を重ねるうちに、次第にコツが分かるようになってくる。この成長のプロセスこそがテナガエビ釣りの醍醐味、もっとも楽しい時間である。

 そして気になる当日の釣果はというと、午前8時から11時までの3時間で26匹のテナガエビ(スジエビ含む)を釣りあげることができた。釣りを開始してから1時間ほどはアタリが頻発したのだが、昼が近づくにつれて次第に反応が悪くなり、思いのほか数を伸ばすことができなかった。

 現地で出会った地元の釣り人の話によると、最近はいつもこんな感じで午前10時を過ぎるとエビの反応が悪くなるので、常連さんはみんな帰ってしまう。対照的に朝は反応が良いため、なかには朝5時くらいから釣りをしている人も多いと話していた。

 これから霞ヶ浦のテナガエビ釣りにチャレンジしてみたいと考えている人は、朝の早い時間帯に出かけるとよい釣果に恵まれるかもしれない。ちなみに話を聞いた地元の釣り人の釣果は、私と同じ3時間で束(100匹)を超えたという。竿は3本使用していた。

■食べておいしい霞ヶ浦のテナガエビを釣りに行こう!

テナガエビをおいしく食べるには生きたままひと晩泥抜きしてやるといいだろう(撮影:水卜ヤマト)

 今回の釣行の目的はテナガエビを釣ることはもちろんだが、おいしく食べることも大きな目的だった。テナガエビをおいしく食べるのに泥抜きは必須。生きたまま自宅に持ち帰り、ひと晩おいて泥を吐かせたあと、定番の「から揚げ」でいただくことにした。

 「から揚げ」の作り方は以下の通り

・日本酒で締める(20分ほど)
・胃袋(砂袋)を爪楊枝で取りのぞく
・キッチンペーパーで余分な水分を取りのぞく
・小麦粉を全体にまぶす
・175℃の油でカラッと揚げ、塩を振ったらできあがり!

テナガエビをよりおいしく食べるために爪楊枝を使って胃袋(砂袋)を取りのぞいた(撮影:水卜ヤマト)
ビニール袋に小麦粉とテナガエビを入れてシャカシャカ振れば簡単に小麦粉をまぶすことができる(撮影:水卜ヤマト)

 きれいなお皿に盛りつけて写真撮影をしようと準備していたのだが、食欲をそそる鮮やかなオレンジ色と揚げたてのエビの香りにすっかりやられてしまい、盛りつけも忘れて夢中になってキッチンで立ち食いしてしまった。

食欲をそそる色と香り。食べたい衝動にあらがえず盛り付けもせずにキッチンで食べてしまった(撮影:水卜ヤマト)

 調理時間60分に対して、完食までに要した時間はわずか1分ほど(家族2人で)。

 揚げたてのテナガエビは冷えたビールとの相性も抜群でとにかく「おいしい」の一言だ。これはまたすぐに霞ヶ浦に釣りに行くことになりそうだ!

 

【重要事項】
霞ヶ浦・北浦での釣りのルールとマナー
https://www.pref.ibaraki.jp/nourinsuisan/kasui/contents/ruleandmanner.html

●【MAP】霞ヶ浦