■山荘からの星と剱岳絶景

 唐松岳へ15分という便利な立地に建つ唐松岳頂上山荘は室内が広く、きれいなイメージだが、筆者の一番の推しポイントは、「簡易水洗トイレ」。標高2,600m付近の山小屋で水洗とは、登山者にとっては大変ありがたい。しかも食堂からは唐松岳、剱岳、五竜岳などたくさんの山々を見渡すことができる。

小屋の窓からのぜいたくな風景

 刻々と変わりゆく夕暮れの景色を眺めながら、夕食をいただく。今朝はまだ東京にいたのに、今は北アルプスとは信じがたい。なんと贅沢な時間だろう。一日晴れたり曇ったりと、忙しい天気であったが明日はどうだろうか。

小さなデジカメでも撮ることができた天の川と唐松岳

 夜が更けてきたあたりで外に出ると、雲の間にたいそうきれいな星空を見つけた。いつもはフィルムカメラだが、今回はコンパクトデジカメ。それでもきれいな星空と唐松岳のコラボレーションをしっかり写真に収めることができた。

 そして翌朝。ピンク色に染まる朝焼けの中、少しずつ剱岳に朝日があたりだした。

ピンクの朝焼けの中朝日が剱岳を染めていく

 目の前には、息を呑むほど美しい幻想的な光景。筆者は無言でしばらくこの美しい山々を堪能した。

 昨日の五竜岳といい、昨夜の天の川といい、きっと日頃の行いがよかったのだろう。最高の気分の中、朝食を食べて、荷物を小屋に置いて唐松岳へ向かった。

唐松岳山頂から眺める五竜岳

 夏の営業開始したばかりの唐松岳頂上山荘に泊まり、梅雨の中の晴れ間を見事ゲットできた。梅雨前線の動きをよく見て、南に大きく下がる時を狙ったのがよかったのかもしれない。

 残雪期は天候によっては気温が下がるため、レインウェアやフリースなどの雨風に備えた装備、手袋や靴下の替えを持参し、体を冷やさないようにしよう。またアイゼンも忘れずに。

 2024年は雪が少ないようであるが、残り少ない残雪を求めて、ぜひ唐松岳を訪れてほしい。きっと筆者のようにライチョウや星空、美しい山々に出会えるはずだ。

 

行程とタイムスケジュール
1日目:八方駅(10:00)⇒八方池山荘(10:30)⇒八方池(12:00)⇒唐松岳頂上山荘(15:00※小屋泊)
2日目:唐松岳頂上山荘(8:00)⇒唐松岳(8:15※小休止)⇒唐松岳頂上山荘(9:30)⇒八方池(12:00※昼食)⇒八方池山荘(13:30)⇒八方駅(14:10)

●唐松岳

住所:〒399-9301 長野県北安曇郡白馬村北城

●唐松岳頂上山荘

住所:〒938-0000 長野県白馬村宇奈月町黒部字黒部奥山 黒部奥山国有林36イ林小班

URL:http://karamatsu.jp/index.html

●白馬八方尾根(八方アルペンライン)

住所:〒399-9301 長野県北安曇郡白馬村八方4258

URL:http://www.happo-one.jp/