5月上旬、筆者はカサゴ(地域名:アラカブ)を狙い、フィッシングカヤックに乗り込み海に出た。この日の気象予報は、晴れ後曇り。風速は午前0.5~1m、午後1~2m。波予報は1日を通して0.5m前後と絶好のカヤック日和。天候にも恵まれ、以前から気になっていた外海に面したポイントに向かった。

穏やかな海でのカサゴ釣りは最高に気持ちが良い(撮影:summerdays919)

 一般にカサゴ釣りと聞くと、堤防釣りやテトラポットの隙間から狙う穴釣りを思い浮かべる人も多いだろう。しかし、これらの釣り方は、エサを咥えたカサゴが巣穴へ入り込むと、なすすべがない。その点、カヤックフィッシングとカサゴ釣りは相性が良い。カヤックはポイントに対して自由に角度を変えられるので、カサゴが巣穴へ入り込んだとしても、逆方向へ場所を移動してラインを引けるため、容易にカサゴを巣穴から引きずり出せるのだ。

 筆者は、エサにきびなごを使った誘導式のテンヤ仕掛け(オモリにラインを通して2本針のハリスに接続したもの)を愛用している。

誘導式のテンヤ仕掛け。オモリにラインを通し、ハリスと接続したシンプルな作り(撮影:summerdays919)

 カヤックを漕ぎ進めること15分、水深15m前後の沈み瀬のあるポイントに到着。仕掛けを投入してみる。オモリが底に着底し、糸ふけをとった次の瞬間「コツ、コツッ」とアタリがきた。

 カサゴは捕食後にすぐさま巣穴へ入り込む習性があるため、急いで海底から引き離す必要がある。リールを巻き上げ見えてきたのは、お目当てのカサゴであった。体長は20㎝に少し届かないサイズだが唐揚げで食べると絶品である。

釣れたカサゴ。型はともかく味は一流(撮影:summerdays919)
カサゴは二度揚げすることで、骨までバリバリ食べられる(撮影:summerdays919)