■足を延ばして「水の山」ならではのスポットへ
笠取山は多摩川の源泉「水干(みずひ)」や多摩川・富士川・荒川の分水嶺があり「水の山」と称される。水の山ならではのスポットに立ち寄るのもおすすめだ。
まず、「小さな分水嶺」と呼ばれるポイントが笠取小屋から山頂への途中、心臓破りの急登の間の小さなピークにある。山頂に続く道から少し逸れるだけなので、ぜひ見ておきたい。
分水嶺の東側に降った雨は荒川に、西側に降った雨は富士川に、南側に降った雨は多摩川に流れる。この山の小さな峰を起点に雨が3つの水系に分かれるのはなんとも感慨深い。
山頂から笠取小屋に戻る際、急登を下って登りとは別の整備された道をトラバースすると、多摩川の最初の一滴が染み出す「水干(みずひ)」にたどり着く。水干とは「沢の行き止まり」で、川の源流を意味する。ここから多摩川が生まれ東京湾まで約138kmの長い水の旅が始まるとのこと。
水干を見たあとは来た道を戻り、笠取小屋へ。ピストンするのと15分程度しかコースタイムが変わらず、道も緩やかなので余裕があれば、ぜひ足を延ばしてみてほしい。
■都心からアクセス良好&絶景を拝める笠取山は本格的な登山シーズン前の足慣らしにピッタリ
笠取山は都心からアクセスが良好で初心者でも日帰り登山に挑戦できる穴場スポット。絶景やここでしか見られない水の山の所以を眺められるので、本格的な登山シーズン前の足慣らしにピッタリだろう。
とはいえコースタイムが休憩なしで5時間程度かかるので、経験者との同行や事前の体調管理、装備品など、しっかり準備をしたうえで登山に挑んでほしい。
【アクセス】
作場平口駐車場
中央自動車道・勝沼ICから約60分