■「シャクナゲ」の咲く、苔むす原生林を進み下山する
(万三郎岳〜四辻〜天城高原ハイカー専用駐車場)

 帰路は山頂から10分ほど進むと、天城シャクナゲコースの周回路と、「八丁池」へと向かう縦走路との分岐「万三郎岳下分岐点」が現れる。天城シャクナゲコースは、万三郎岳下分岐点を右に折れるのが正解だ。

 万三郎岳下分岐点から先は一気に標高を下げていく。急坂が多くなるので慎重に進もう。45分ほどで「涸沢分岐点」に着く。涸沢分岐点まで来るとアップダウンは少なくなるが、岩がゴロゴロとした悪路なので、四辻までの約1時間ほどの道のりは気をつけて歩こう。四辻から登山口までは20分、長かった天城シャクナゲコースもゴールだ。

沢沿いの登山道は大小の岩がゴロゴロして歩きにくい
下山途中もアマギシャクナゲを見ながら歩くことができる

●【MAP】天城高原ハイカー専用駐車場

■「天城山」初夏の魅力

 今回は、日本百名山の一つ、天城山を紹介した。花の時期でなくとも多くの登山者が訪れる人気の山だが、アマギシャクナゲとアマギツツジが咲き誇り、魅力あふれる初夏に登ることをおすすめしたい。

 筆者が訪れたのは昨年5月16日だが、写真のとおり満開の花に出会うことができた。例年「5月中旬から咲き始め、見頃は5月下旬から6月中旬」とされているが、年々その時期が早まっているように感じる。今年も5月中旬に山行予定を立てると良いだろう。今回紹介した天城シャクナゲコースはその名の通り、花の道だ。その美しさをぜひ体感してほしい。

 登山口の駐車場には、トイレや靴洗い場が設置されている。登山道の案内看板も豊富で、道迷いの可能性は低い。注意点は、万三郎岳から先の周回コース後半、標高を一気に下げる急坂のあと、不安定な足場がしばらく続くこと。体力に自信のない方は、万三郎岳登頂後、歩いてきた馬の背を引き返すピストンコースも選択肢に加えたい。自身の体力に合わせてコース選択をし、満開のアマギシャクナゲに会いにいこう。