4月、春の暖かさを感じられる日も多くなってきた。いよいよ本格的なアウトドアシーズンが訪れたが、標高の高い山では「残雪期」となり、シーズンが始まるのはまだもう少し先だ。今回は本格的な登山シーズンを前にトレーニングもかねて登ることができる山を紹介したい。
■静岡県・愛鷹連峰「越前岳・標高1,504m」
紹介するのは富士山の南隣に位置する愛鷹連峰(あしたかれんぽう)の最高峰「越前岳(えちぜんだけ)」だ。標高は1,504mで、日本二百名山や静岡の百山などに選定されている。
越前岳は静岡県裾野市にあり、富士山から直線距離で約15kmの場所に位置し、十里木展望台(じゅうりぎてんぼうだい)からはダイナミックな富士山を望むことができる。
日帰りでの登山が可能で、登山道は大きく2つ、北側の十里木からのコースか、愛鷹登山口からのコースとなるが、今回は十里木からのコースを紹介したい。
■早朝は霜が降り真っ白に! 十里木から目指す越前岳
スタート地点となる「十里木高原バス停」は標高が900mを超え、春先であっても朝晩は冷え込む。筆者は3月上旬に訪れたが、地面を見ると大きな霜柱があり、ザクザクと踏みしめる音を楽しみながら歩いた。
登山口の標高は比較的高いため、4月であっても天候によっては霜が残る場合もある。足もとに注意して歩こう。
十里木高原バス停には無料で利用ができる駐車場があり、トイレも設置されている。マイカーでのアクセスもしやすい。
■山頂までは一気登り! 要所にある展望台で景色を楽しみながらゆっくり登ろう
十里木からのコースは尾根沿いを山頂まで一気に登る登山道となっており、距離は片道2.5kmほどと長くはないが、登りごたえのあるコースだ。特に「馬ノ背見晴台」から山頂までは勾配が急な区間となる。
スタートから馬ノ背展望台まではさえぎるものが少なく、振り返れば富士山や南アルプスの景色を楽しむこともできたが、勾配が急になるとともに樹林帯に入り、そこからは単調な登りとなる。
馬ノ背展望台にはベンチが設置されており、見晴らしもよい。愛鷹連峰は周辺に山や障害物がないので標高は高くないが、遠くまで見渡すことができる。
■山頂で待つのは駿河湾と麓の富士市の絶景!
十里木高原バス停からおよそ1時間40分、山頂に到着する。山頂からだと富士山は樹々に阻まれ、山頂付近しか見ることができないが、代わりに南側の景色が広がる。
山頂からは駿河湾を望むことができ、麓には富士市の街が広がっている。伊豆半島まで見渡すこともできる。道中は富士山や南アルプスを楽しみ、山頂からは一変、海の景色が広がり、飽きることなく眺望を満喫することができるだろう。
■富士山を至近距離で満喫しに出かけよう
愛鷹連峰は冬には降雪もあり、気象状況によっては登山道に雪が残っていることがある。滑り止めは忘れずに携行したい。冒頭でも説明したが、十里木コースは北側の斜面のため、日が当たらない。気温以上に体感温度は低く感じるので防寒着を着用し、登山を楽しんでほしい。
富士山を見ることができる山は多くあるが、至近距離で見る富士山は雄大さを感じることができる。迫力の富士山を見に越前岳へ出かけてみてはどうだろうか。
【登山ルート】
十里木高原バス停駐車場⇒(15分)⇒展望台⇒(25分)⇒ 馬ノ背見晴台⇒(1時間)⇒越前岳⇒(45分)⇒馬ノ背⇒(20分)⇒展望台⇒(15分)⇒十里木高原バス停駐車場
【アクセス】
マイカー:東名高速・裾野ICから県道24号経由で約19分(13.8km)
バス:JR御殿場線・御殿場駅からバスで約49分
●【MAP】十里木高原バス停 静岡県裾野市須山