■明治の文豪の邸宅が今も残る「蘆花恒春園(芦花公園)」には高遠小彼岸桜をはじめ12種の桜に彩られる
「不如帰(ほととぎす)」などの名作で知られる明治、大正期の文豪、徳富蘆花(とくとみろか)。彼が夫人とともに後半生を過ごした邸宅が今も残るのが「蘆花恒春園」。現在の東京都に家屋、耕地が寄贈される際に夫人の意向に沿い、武蔵野の原風景を保存し、公園として開設されたのが現在の「蘆花恒春園(芦花公園)」。
東京の大動脈、環状8号線(環八)と交通量の多い幹線道路沿いながらも、一歩、足を踏み入れると往時を偲ばせる落ち着いた雰囲気に包まれる。
■季節ごとに彩られる「花の丘」には多様な桜とチューリップが色鮮やか
武蔵野の原風景が残る「蘆花恒春園」であるが、園の南側にある「花の丘」では、季節ごとに色とりどりの花々に満ち溢れている。
蘆花恒春園の桜といえば、“天下第一の桜の名所”と呼ばれる長野県、伊那市高遠町より寄贈された「タカトオコヒガンザクラ」が東京で見ることができる貴重なスポットとして有名だが、ひと足早く、すでに葉桜となっている。
しかし、花の丘には山桜、福禄寿、関山、ソメイヨシノ、大島桜、十月桜、アーコレード、御衣黄、紅豊、河津桜、八重紅枝垂と12種もの桜が植えられており、個性豊かな様々な桜が時期もそれぞれに美しい花を咲かせている。
チューリップやまだ菜の花の咲いているところもあり、桜と一緒に色とりどりの花々を同時に楽しむことができる。
●施設概要
蘆花恒春園
〒157-0063
東京都世田谷区粕谷1-20-1
TEL 03-3302-5016
開園時間:常時開園
入園料:無料
●MAP
春になると気温が高くなるだけでなく、あちこちで咲く花々の色彩豊かな景色によって、気持ちも軽やかになってきますね。まずは近くの自然散策から春の訪れを感じてみてはいかがでしょうか。