■爽快なひと時が過ごせるシェニール・リングの登山道

 3つ目のリフトの最終地点へ着くと、そこはもうアルタ・ヴィアNo.1のルートのど真ん中。目の前にはマッターホルン山頂とそれに連なるアルプスの山々の大パノラマが広がっている。

 後ろを振り返ると、イタリア最高峰4,061mのグラン・パラディーゾの山頂を中心に、3,000mを超える山々の頂が連なる素晴らしい眺望に思わず歓声が上がる。冷たく新鮮な空気が肌に心地よく、この景色を眺めているだけでも爽快な気分が体内に満ちてくるのを感じる。

 このエリア一帯はシェニール・リングと呼ばれ、ルート上標高2,000m地点にあるシェニールの村を中心に、マッターホルン、モンテ・ローザを鑑賞できる環状ルートになっている。アップダウンもそれほど大きくないので、アルタ・ヴィアのトレッキングを短時間で体験するにはもってこいのルートだ。

 もちろん、環状ルートを離れて目の前を横切っているアルタ・ヴィアを進んで行けば、トゥルナンシュ渓谷の絶景を見下ろしながらマッターホルン、果てはスイスのツェルマットまで歩いて行くことも可能なので、本格的な登山コースを歩きたい人はぜひトライしてみて欲しい。

リフトの終点。ここの先を横切っているのがアルタ・ヴィアNo.1。ここから1時間半ほどの距離に標高2,773mのナンナズの丘、30分圏内にもシェニールの丘(2,279m)やクラヴァリテのサンクチュアリ(2,530m)といったパノラマ・ポイントがある
リフト乗り場の正面にはマッターホルンと山脈の雄大なパノラマが広がっている
4,000m級のアルプスの名峰を制覇できるアルタ・ヴィアNo.1。険しいポイントもあるが、このシェニールのリングがあるエリアは比較的平坦で道幅も広く歩きやすい。お手軽に絶景を楽しみたい人にはおすすめのポイントだ
周囲に点在する小高い丘の上まで登ってみると、思ってもみなかったさらなる絶景が見られる。斜面が急なので、足を踏み外さないよう注意を払って登る