●4. 犬は泳ぎが得意? いいえ、そんなことはありません。安全のためにライフジャケットの着用を!
ペットにもライフジャケットを着用しよう。犬は水が大好きで泳ぎも得意な動物だと思っている方も多いのではないだろうか。しかし、実際には泳ぎが不得意な犬もたくさんいる。また、ずっと水の中で遊んでいると体力が消耗し、溺れてしまうこともある。筆者は過去に、カヤックで遊ぶ飼い主を泳ぎながら長時間追いかけ、疲れて溺れそうになっている犬を見たことがある。
ペットにライフジャケットを着用させることは、浮力が増し溺れにくくなること、ライフジャケットの色で見つけやすくなること、ハンドルがついているため引っ張り上げる際に大変楽であることなど、メリットがいっぱいだ。人間のライフジャケットの必要性と全く同じであると思ってよいだろう。
●5. 山や川には日常生活では感染しない病原菌が。事前の予防は飼い主の責任です!
アウトドアに連れて行かない犬であってもノミ・マダニ、フィラリア、狂犬病予防、混合ワクチンの接種は必須だが、アウトドアに連れて行くのであれば、接種する混合ワクチンの種類を今一度確認してほしい。
山や川では、普段の散歩では遭遇しない病原菌に感染する可能性がある。特に有名なのはレプトスピラ菌によるレプトスピラ症で、菌で汚染された土壌や水から口や皮膚を介して感染する。このレプトスピラ症は高温多湿の環境を好むため西日本での感染例が多いのだが、近年の温暖化により日本全域での発生も確認されているので、アウトドアを行う際には注意してほしい。
ちなみに、このレプトスピラ症は人間にも感染する人畜共通感染症だ。犬への感染は事前の注射で予防できるので、犬をアウトドアへ連れて行く際にはかかりつけ医に相談してみると安心だ。
また、猫にも感染すると恐ろしい病気がある。猫免疫不全ウイルス感染症(猫エイズ)と、猫白血病ウイルス感染症という病気で、野良猫の50%はこれらの感染症に感染しているといわれている。愛猫と一緒にキャンプや外遊びに行く場合には、寄生虫の予防や混合ワクチンの接種を徹底すること、猫同士のケンカをさせないことに気をつけてほしい。
■愛するペットと楽しく安全なアウトドアライフを送ろう
愛するペットと一緒に楽しむアウトドアは、普段の生活や散歩とは違った格別の喜びをもたらしてくれるだろう。山や川、海など大自然の中でしかできない経験もあるはずだ。
しかし、ペットの予防医療やマナーに関しては、まだ一般に知られていないことが多く、改善の余地があるように感じている。アウトドアを安全に楽しく行う飼い主とペットが増えること、それが愛玩動物看護師資格を持ち、普段からアウトドアを楽しんでいる筆者の本望だ。