■稜線に広がる大展望!!

 うわあ…!

 絶景は大菩薩峠から続く稜線で待っていた。

 なんと爽快! スカーッと抜ける青い空!

絶景が広がる!(撮影:伊大知崇之)

 冬の名残のまだ冷たい空気の中、遠くまでパキッと見渡せる。雪山に登らない身としては早春のこの時期だけに出会える特別な透明感だ。

 その中をずんずん進む。

 なんだかわけのわからない喜びがやたらと込み上げてくる。

 遠く、たおやかに上りゆく草色の尾根が見える。

たおやかな草尾根(撮影:伊大知崇之)

 左を見れば、彼方にすっきりと雄姿を見せる富士山。眼下にグリーンの大菩薩湖。その間をどこまでも埋めていく森林の広大さに唖然とする。

はるか富士山まで遮るものはない(撮影:伊大知崇之)

 反対側を見れば、遠く秩父へと連なっていく山々。

 景色は歩みと共に少しずつ移ろい、雷岩で大展望のピークを迎える。

 その開放感の中、湯を沸かし、昼食。

 快晴のこの日、寒さは気にならなかった。

秩父方向を見る(撮影:伊大知崇之)