■この日いちばんの難所に悪戦苦闘!
雷岩から10分ほどの山頂(標高2,056.9m)は、山頂標識と三角点がポツンとあり、樹林に覆われており眺望は望めない。
上日川峠を起点とする一般的な周回コースは、ここで雷岩に引き返し、唐松尾根を下って上日川峠へと戻るが、我々は北上し、丸川峠を目指す。
北へ向かうと残雪は量を増していった。この日ここからがいちばんの難所だったと言える。アイスバーン、みぞれ状の融雪、ぬかるみが代わる代わる現れ、尻餅をついたり、泥はねにまみれたり悪戦苦闘した我々であった。
しばらくしてようやくの思いで丸川峠に到着。山頂から丸川峠までの3分の2くらいが、悪路といっていい状態だったと思う。
丸川峠では素朴な佇まいの丸川荘が迎えてくれた。空色のトタン屋根と黄色い看板の“珈琲”の文字。陽だまりの山小屋に春の訪れを感じた。
この先は、丸川峠入口まで約75分とそれなりの道なりがあったが、雪に悩まされることはない通常の山歩きであった。
■とっておきの景色に会いに
大展望の山歩きを誇る首都圏近郊の百名山。その魅力は空気澄み渡る季節が最後のきらめきを見せるこの時期だからこそ引き立つとも言える。3月の標高2,000mは防寒対策と軽アイゼンが必須でゲイターもあった方が良いが、しっかり準備を整えて、とっておきの景色に会いに行ってはどうだろうか。
●【コース】丸川峠入口から大菩薩嶺へ(コースタイム約6時間30分)
丸川峠入口(丸川峠分岐駐車場)→105分→ 上日川峠 →25分→ 福ちゃん荘 →50分→ 大菩薩峠 →55分→ 雷岩 →20分→ 大菩薩嶺 →60分→ 丸川峠 →75分→ 丸川峠入口
●【アクセス】丸川峠分岐駐車場
中央自動車道・勝沼ICから約19kmで丸川峠入口駐車場へ。
※無料駐車場あり(約20台)