■【ギア選びについて】

ハンモック本体 *日帰りの場合

 日帰りのハンモックハイキングにおける防寒は、いつも使っているハンモックをベースに、寒さに応じて足りない分を追加して補うのが良いでしょう。

 一部の特殊なハンモック(ハンモック本体がダウンや化繊綿などで覆われたもの)を除いて、ハンモック本体には防寒性がありません。冬のハンモックは、休憩や昼寝などの短い時間でも背面に寒さを感じることがあります。こうした冷えを解消するには、スリーピングマットやアンダーキルトなどを追加するのが効果的です。コンパクトに収納できるエアーマットや座布団サイズのフォームマット、ダウンのアンダーキルトなら日帰りで持っていくにもそれほど負担にはならないでしょう。

 

ハンモック本体 *泊まりの場合

 冬のハンモック泊では、気温が0℃を大きく下回ることもあります。寝袋やマット、アンダーキルトなどのスリーピングシステムは、気温に対応したものを選びましょう。冬用で厚みのあるスリーピングマット(厚み5cm以上)を組み合わせる場合は、バランスが悪くなってしまうことがあります。重心が高くなりにくく、マットが確実に固定できる二枚仕立てのダブルレイヤーハンモックが有効です。

 

サスペンション

 冬に使うハンモックのサスペンションは、指がかじかんでも操作がしやすく、凍結によるトラブルの起きにくいデイジーチェーンタイプが使いやすいでしょう。

 

タープ

 冬にハンモックと組み合わせて使うタープは、風をしっかり遮れる面積の大きなものが良いでしょう。地面すれすれまでタープで覆えれば、外気温よりも暖かい部屋のような空間を作ることもできます。ハンモック用の「ウィンタータープ」と呼ばれるものは、ハンモックの前後左右をしっかり覆うテントのような形状をしています。

選ぶギアの組み合わせ次第で、気温が氷点下になってもものともしません

■【設営場所選びについて】

雪の中でも「寒くない場所」の条件を考えてみましょう

 冬は設営場所も、なるべく寒くない場所を選びたいものです。風が吹きにくく、日中に陽の当たる場所を選べば、快適に冬のハンモックハイキングを楽しめることでしょう。

・稜線(特に鞍部)を避ける→風を回避

・なるべく山の南側斜面を使う(雪崩に注意)→陽当たりが良い

・針葉樹林帯よりも広葉樹林帯→陽当たりが良い(冬は葉が落ちるため)

 適切なスリーピングシステムと設営場所を選べば、雪中ハンモック泊も夢ではありません。タープで屋根を作ってスノーブロックで周りを囲えば、快適なスノーキャンプを楽しめることでしょう。

日本で唯一のハンモック教書『ハンモックハイキング』