冬の一大イベント「さっぽろ雪まつり」が閉幕し、寂しさを感じている方は多いのではないだろうか。

 そんな方には氷に囲まれた世界で、これまた氷で作られた冷たいドリンクなどが楽しめる、芸森ワーサムの「ICE FOREST 2024」を紹介したい。今年は三年に一度に開催される世界の最新アートが集う特別イベント「札幌国際芸術祭2024」も開催され、無彩色の氷の世界に極彩色のアートペイントが加わっている点にも注目だ。

 なお、札幌芸術祭2024は2014年からスタートし、今年で3回目。今回は全部で6つの会場で行われる。

■芸森ワーサム「ICE FOREST 2024」で寒さを楽しむ

 ICE FOREST 2024は、“本物の寒さのその先に。”というキャッチコピーのもと、冬の「寒さ」を楽しむ冬季限定イベントで、2022年から芸森ワーサムにて開催されている。元々は当別町で「幻想的な雪と氷の世界で食・アート・カルチャーを楽しむ」イベントとして、2014年から開催されていたものだ。

 会場となっている2022年に誕生したアウトドア施設「芸森ワーサム」は、キャンプはもちろんのこと、プライベートサウナやペットと泊まれるドッグキャンプサイトなど、さまざまなスタイルで楽しめるのが特徴。「自然を楽しみ、アートを感じる」という言葉の通り、ところどころにアート要素があるため探してみるのもおもしろい。

 ICE FOREST 2024は入場料無料で、日帰り、宿泊のどちらでも楽しめるが、宿泊の場合は、芸森ワーサムのプライベートサウナつきのタイニーホテルがおすすめだ。なお、今季の開催期間は3月3日までとなっている。

 今回はイベントの中でも目玉である、氷でできた「ICE BAR」についてレポートする。

■氷のアイスイニングで非日常体験

 ICE FOREST 2024のメインである、「ICE BAR」を求め、札幌中心部から40分雪道を車で慎重に向かった。

 駐車場から歩くこと数分、メインであるICE BARが現れた。筆者が訪れたのが日曜の午後であったせいか、観光客の姿はほとんど見かけず静かな雰囲気が広がっていた。

雪の中に現れたICE BAR。冬ならではの氷の造形美

 中に入ると、芸森ワーサムのロゴや氷でできたテーブル、そして奥にはお目当てのバーカウンターが見えた。なにやら、バーカウンターの背後にはサイケな熊ペイントも施されている。

内部は雪と氷の世界でBARにいるとは思えない

 まっすぐ進んだ最奥にあるのが、全て氷でできたバーカウンターだ。氷を維持するため、BAR内部は冷え切っており、氷のグラスが積まれた景色が一層寒さを感じさせる。

全て氷でできたバーカウンター

 バーカウンターの背後にある極彩色の熊ペイントが、無彩色の世界に彩りを添えていた。

極彩色の熊がお出迎え。愉快な気持ちになり寒さが少し和らぐ

 早速、冷えひえのチャイナブルー(600円)とマンゴーオレンジ(600円)を「氷のグラス」で注文。手際よく材料が混ぜられ、あっという間にでき上がった。

ドリンクを作る様子が目の前で見られる

 各種ドリンクは注いだ際に氷のグラスが溶けないよう、凍結しないぎりぎりの温度で保管されている。そのため、容器から注がれるのは液体にしては粘性を感じさせるため、見ていておもしろい。

常温では見られない”とろみ”のある液体が楽しめる

 チャイナブルーとマンゴーオレンジが注がれた氷のグラスで乾杯。雪と氷のクリスタルな世界で、氷のグラスを使って飲むキンキンに冷えたドリンクは格別だ。

チャイナブルー(左)とマンゴーオレンジ(右)。透明なグラスに鮮やかな青とオレンジが映える

 ICE BARには各種カクテル(700円〜)の他に、ノンアルコール(600円〜)やソフトドリンク(350円〜)がある。

 さらにおもしろいのは、ポークシチュー(1650円)やアヒージョ(650円)、スープなどの温かいフードメニューがあり、極寒の世界でぽかぽかフードをいただくギャップが楽しめる。

 なお、「氷のグラス」で飲むには、ドリンク代のほかに500円が必要である点を覚えておこう。氷のグラスは持ち帰りも可能だ。

冷えた体にやさしい温かいスープメニュー(500円〜)もある

 今回は日曜の午後に訪れたため来客はほとんどなかったが、土曜や日曜の午前などは賑わいを見せるそうだ。また、夜になるとライトアップも行われ幻想的な空間を体験できる。